- あれ、ここは must と have to のどっちを使うべきなんだっけ?
- そもそも must と have to に違いってあるの?
メールを書いている最中、ふと⼿が⽌まった経験はありませんか。
⽇本の学校英語では「どちらも“~しなければならない”」とまとめられがちですが、実際のビジネス現場では義務の強さ・話し⼿の⽴場・聞き⼿へのニュアンス等により使い分けがなされています。
この記事を読めば
- must/have to の違い
- must/have to の時制とバリエーション
- must/have toと混同されやすい助動詞とその違い
といったものがわかりますよ。
両者の機能差を体系的に理解したい方や、自信をもって使い分けをしたい方は、ぜひご一読ください。
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mustとhave toの違い:3つのポイントからわかりやすく解説
mustもhave toも、日本の学校では「“~しなければならない”という義務」というように習います。
しかし同じ「~しなければならない」でも、話し⼿が感じる責任の所在がどこにあるかで使い方は変わるもの。まずは「ニュアンスの土台」を押さえましょう。
内的義務 vs. 外的義務 ─ 概念とニュアンスの土台
「誰が“やるべきだ”と感じているのか」を突き止めると、mustとhave toの選択は一気に楽になります。
mustは話し手が内心で「ぜひそうすべき」と感じる内的圧力、have to は上司・法律・納期のような外部要因から生じる外的圧力を示します。
つまり英語では、義務の「発信源」まで動詞で暗示しているわけです。
日本語訳ではどちらも「〜しなければならない」と平坦になりやすいので、学習者が最も取りこぼしやすいポイントといえます。
◆must:内的義務(話し手自身の判断)
(例)I must finish this report tonight. (今夜、レポートを終わらせなければならない。)
→「自分の意思で」やらなければと感じている。プロとしての責任感を強調。
◆have to:外的義務(外部要因による強制)
(例)I have to finish this report tonight because the client is waiting.(クライアントが待っているので、今夜レポートを終わらせなければならない。)
→上司や顧客など「外部の事情」が理由で逃げ道がない。
発信源が自分なら must、他者やルールなら have to。このように「義務の発生の起源」に注意するだけで、場面に合致した表現が選べます。
義務の強さ・確実性─ スケールで視覚化
助動詞は“義務メーター”とも言える存在です。スケールに並べると、相手に与える圧力の度合いが直感的にわかります。
may < should/ought to < have to < must
許可 < 推奨 < 必要 < 緊急・絶対
may は「〜しても良い」という許可の域を出ません。
should / ought to は「そうするのが望ましい」という助言レベル。
have to で初めて「必要」が生まれ、must は「やらなければならない」に加えて「従わなければ重大な結果」を暗示します。
ビジネス文書で強く言い過ぎたくないときは need to や be required to を使うと、数直線上で have to と must の中間に位置づけられ、ソフトながら明確な必要性を示せます。
状況に応じて“メーター”を微調整しましょう。
肯定・否定・疑問それぞれの基本パターン
英語では肯定・否定・疑問の形が変わると義務の意味まで変わります。特に must と have to は、否定形でニュアンスが真逆になるため要注意です。
用法 | must | have to |
---|---|---|
肯定 | You must submit the form.(絶対提出せよ) | You have to submit the form.(提出しないといけない) |
否定 | must not = 「してはいけない」You mustn’t smoke here. | don’t have to = 「する必要はない」You don’t have to join the call. |
疑問 | Must I…?(フォーマル・やや硬い)Must I sign here? | Do I have to…?(自然・口語的)Do I have to sign here? |
“禁止”と“不要”の落とし穴
You mustn’t park here. は「絶対に駐車するな」。
You don’t have to park here. は「ここに停める義務はない(他でも可)」。
同じ「not」でも、義務の有無と禁止のニュアンスが180度変わります。
社内メールで誤ると意図が真逆に伝わりかねないため、否定形は声に出して暗記しておくのが安全策です。
疑問形では Must I…? が改まった場面に限られるため、日常の確認や会議中の質問では Do I have to…? を使う方が柔らかい印象を与えます。
mustとhave to:時制&バリエーション完全ガイド
時制が変わると助動詞の挙動も一変します。
「過去・未来・完了形」での置換ルールを網羅的に整理します。
過去形・未来表現・完了形での置き換えルール
英語の助動詞は時制ごとに“役割”が変わります。特にmustは現在形専用の色合いが強く、過去や未来を表すときは別の表現に置き換える必要があります。
ここを誤ると「義務」か「推量」かが曖昧になり、誤解を招くので要注意です。
①過去の義務 ― had to がデフォルト
must には純粋な過去形が存在しません。過去の必要性は had to が一択と覚えましょう。
We had to cancel the meeting due to a power outage.(停電のせいで会議をキャンセル“せざるを得なかった”)
否定形は didn’t have to(不要だった)であって、mustn’t have(~しなかった/~ではなかったに違いない)とは別物です。
②未来の義務 ― will have to / be going to have to
“will have to” は「将来的に外的義務が発生する」ニュアンスを持ちます。
You’ll have to update the software next month.(来月アップデートする必要が出てきます)
スケジュールをより柔らかく示したい場合は need toでも代用できます。
③完了形 ― must have + 過去分詞 は99%確信の推量
He must have left already.(彼はもう出発したに違いない)
ここでの must は義務ではなく「強い推量」です。
should have + 過去分詞(〜すべきだったのに)や needn’t have + 過去分詞(〜する必要はなかった)と機能が異なるため、用法を混同しないようにしましょう。
must not と don’t have to ― “禁止”と“不要”の決定的差
日本語訳ではどちらも「〜してはいけない/〜しなくてよい」と短く訳されがちですが、英語ネイティブの頭の中では、それとは違ったニュアンスになっています。
形 | コアイメージ | 例文 | 伝わるニュアンス |
---|---|---|---|
must not / mustn’t | “禁止”→ やったらルール違反 | You mustn’t park here. | 絶対に駐車するな(罰金・炎上など重大な結果を示唆) |
don’t have to | “不要”→ やってもいいが義務ではない | You don’t have to park here. | ここに停めなくてもOK(他に選択肢がある) |
会話例
A: Can I turn in the report tomorrow?
B: You don’t have to. The deadline is next week.
(提出しなくて良い=“禁止”ではなく“任意”)
つまり “mustn’t = don’t have to” と誤変換すると、「駐車禁止」を「駐車自由」と案内してしまう危険があります。
メール等を送信する前に、必ず誤った使い方をしていないか確認しましょう。
have got to/should/ought to との比較整理表
助動詞は「義務の強さ」だけでなく「話し手のスタンス」も映し出します。
以下の3つは同じ「推奨・必要」ゾーンでも温度が異なるので、状況に合わせてチョイスすることが大切です。
表現 | ニュアンス/使用域 | 口語度 | 例文 | 使い分けのヒント |
---|---|---|---|---|
have got to / ’ve gotta | have to の強調口語版。「どうしても~しなきゃ」電話・雑談などカジュアル | ★★★★★ | I’ve gotta go—my train’s leaving. | 上司や取引先には避ける(くだけ過ぎ) |
should | 助言・推奨。「~した方がいい」相手の利益を想定 | ★★★ | You should back up your files regularly. | 強制力を避けつつ指導したい時 |
ought to | should より堅め・道徳的。「当然そうあるべき」 | ★★ | We ought to respect local regulations. | CSR 方針や社内規範を語る場面向き |
実務で迷ったら、以下の3つをガイドラインにしてください。
- 利害関係者が複数&デッドライン厳守 → have to / have got to
- 提案・助言で相手の判断を尊重 → should
- 社是や法律など“あるべき論”を示す → ought to
これらを声に出してスクリプト練習し、場面別「義務メーター」を微調整できるようにしておくと、ビジネス英語の説得力が一段アップします。
must / have toの使用頻度と使われ方のリアル
同じ英語圏でも、mustとhave toの使われ方には違いがあります。ドラマ台本やビジネス文書の実例を軸に比較しましょう。
ネイティブがmustを避けるビジネスシーンとは?
「must=義務」という教科書的イメージのままメールに使用すると、ネイティブの同僚から“命令口調で刺々しい”と受け取られることがあります。
特にアメリカ企業の社内連絡や顧客対応では、指示よりも協調や合意形成を重視する文化が強いため、語調の柔らかい need to / have to がデフォルトです。
✕:You must finish the budget review by 3 p.m.
〇:We’ll need to finish the budget review by 3 p.m. so we can brief the VP.
前者は「絶対命令」、後者は「目的共有+必要性」です。
同じ締め切りでも、聞き手に“理由”と“共通ゴール”を示すことで協力を得やすくなります。
さらに役員向け報告書や規程文書のように公的・法的義務を示す場面なら be required to を使う方が文体に合致し、must は「緊急アラート」や「安全規則」など限定的な用途に絞られる傾向があります。
統計で見る使用頻度&映画・ドラマ実例
実際のネイティブ運用を把握するにはコーパス(大規模言語データベース)が有用です。
例えばCOCA(Corpus of Contemporary American English)約10億語を検索すると、動詞句 have to の出現が must の約1.5倍であり、BNC(英国コーパス)でも比率は2 倍ほどで、米英どちらも “have to” 優勢という結果が出ています。
映像作品でも同傾向です。映画 Marvel’s Avengers(2012)脚本でもhave to/gottaがmustより多く使用されていました。
一方、法廷ドラマSuitsではコンプライアンスや契約条項の場面でmustが増えるなど、ジャンルによるバラつきも確認できます。
学習用スクリプトを選ぶ際は、扱うシーンの文体と目的(雑談/交渉/法務など)が合っているかチェックすると効果が倍増します。
“really / absolutely”など副詞との相性で強制力をコントロール
助動詞の前に程度副詞を置くと、同じ “have to / must” でも義務メーターを微調整できます。
副詞 | 例文 | ニュアンス |
---|---|---|
really | You really must try this KPI dashboard—saves tons of time.(この KPI ダッシュボードはぜひ使ってみてください――作業時間が大幅に短縮できますよ。) | 軽い勧め+熱意 |
absolutely | We absolutely have to meet the GDPR deadline.(GDPRの締め切りは絶対に守らなければなりません。) | 避けられない外的必須条件 |
definitely | Team members definitely need to log their hours daily.(チームメンバーは毎日必ず作業時間を記録する必要があります。) | 手順遵守の確約 |
urgently | We urgently have to patch the security flaw.(私たちは至急そのセキュリティの脆弱性を修正しなければなりません。) | 時間的切迫感 |
ただし「副詞+must」はフォーマル寄り、「副詞+have to/need to」は会話でも自然です。
強調し過ぎると脅迫的に響く恐れがあるため、聞き手との関係やコンテキストを踏まえて選択しましょう。
副詞を使ったフレージングをいくつか暗唱し、必要に応じてトーンを上げ下げできるよう練習すると、指示も依頼もスムーズに伝わります。
英文法知識を実践的な英語力につなげる──リスニング力の重要性
上記must / have to の使い分け、および混乱しやすいought toとの違いや副詞との組み合わせなどをしっかりとおさえることで、ビジネスシーンで適切な言葉を選ぶことができるようになります。
一方、これらの英文法の知識は「リスニング力」なしでは実際の現場では「宝の持ち腐れ」になってしまうことも。英文法を実践的な英語力につなげるには「リスニング力」がカギである理由を解説します。
リスニング力なくして英会話は始まらない
英会話は
- 相手の発話を聞き取る
- 意味を理解する
- 自分の考えを返す
という連続したプロセスで機能します。
この流れの最初の段階でつまずいてしまえば、後段階はすべてドミノ倒し式に崩壊し、たとえ高度な語彙や文法を頭に蓄えていても活用の場を失ってしまいます。
逆にリスニングが盤石なら、内容理解に余裕が生まれ、脳内で英文を組み立てる時間的余裕が確保されます。「話す前に一拍置ける」状態ができあがるため、語順や時制を落ち着いて選択でき、結果として発話の精度が一気に向上します。
また相手の意図さえ正確に掴めれば、最悪でも “Yes / No” や “Let me get back to you.” で意思疎通が成立し、会話を止めずに済みます。リスニングは英語運用全体の基礎部分のため、ここを固めずに会話力だけ伸ばそうとするとちぐはぐな会話力になってしまいます。
音を捉えれば口も動く──「認知→発話」の好循環
言語学の世界では “You can’t produce what you can’t perceive.”(聞き取れない音は発音できない)と認識されています。
例えば日本語話者が /r/ と /l/ を区別できないのは、両方を「ラ行」と一括りに知覚してしまうから。耳が同じ音として処理している以上、舌も同じ動きしか再現できません。
しかしシャドーイングやディクテーションで英語特有の母音・子音、語末子音の脱落、リエゾン、弱形といった「聞こえにくい要素」を意識的に聞き分けられるようになると、音を支える聴覚の解像度が上がります。
その結果、自分の発話でも舌先の位置や声帯の振動を微調整できるようになり、リズムとイントネーションがネイティブに近づきます。
聞こえる音は再現できる、再現できる音は自信をもって発話できる――この好循環が生まれることで、会話全体のテンポが滑らかになり、相手の理解負担も劇的に減るのです。
シャドーイング×英文法で英会話力の土台を作ろう
英文法を「知っている」から「使える」へ落とし込むには、前述した通り「リスニング力」向上が必要不可欠です。
リスニング力向上におすすめな、シャドーイングをご紹介します。
シャドーイングとは
シャドーイングは英語音源の1~2語後を影のように追いながら発話するトレーニングです。
①音声知覚の向上
音を単語としてとらえる力「音声知覚」向上に絶対的な効果を発揮します。音声知覚が向上すると意味の理解に余裕がうまれ、結果としてリスニングが格段に向上するのもメリットです。
②総合的な発話力の向上
リスニング力が向上することで、何を発言するか(概念化)、またどのように表現するか(文章化)というスピーキングプロセスに脳のキャパシティを割くことができるようになり、発話までの時間が短縮されます。
また音源の完全再現を通じ、英語特有のリズムや音変化に慣れることができ、発音も改善されるのもシャドーイングの副次的なメリットです。
シャドーイングにはシャドテン
そんな多くのメリットがあるシャドーイングですが、正しく実施することでよりその効果を実感することができます。シャドーイングにおすすめなのが、シャドーイングに特化したアプリ「シャドテン」です。
シャドテンには以下のような特徴があり、文法学習と合わせて実施することで実践的な英語力を身につけることができます。
【シャドテンの特徴】
◆プロの添削で確実に上達
英語特有の音声変化を中心に、プロが毎日添削します。良かった点と改善点を的確にフィードバックしてくれるので、効果的に発音やリズムを修正可能で独学よりも早くリスニング力や発話力が向上します。
◆豊富な教材と便利な機能
4つのアクセントに対応し、1000以上の教材を収録。AB再生やスピード調整、スクリプト表示切り替えなど、便利な機能も充実しています。
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