ビジネスシーンで英語を使う機会が増えた昨今、イギリス英語とアメリカ英語の微妙な文法差に戸惑った経験はありませんか?
同僚とのメールで “have you got the report?” と尋ねたら通じない…そんな瞬間にはがゆさを感じるものです。
この記事では、両者の文法上の代表的な違いを整理し、ビジネスマンが即戦力として英語をマスターするための最速メソッドとしてシャドーイングを紹介します。
読み終えるころには、具体的な学習プランが見えてくるはずです。
※シャドテンラボおよびシャドテンは、株式会社プログリットによって運営されています
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基本文法ルールの違いを押さえよう
イギリス英語とアメリカ英語では、同じ文法用語でも使用頻度やニュアンスにズレがあります。
ここでは以下の6つのポイントを取り上げ、それぞれのポイントを比較しながら理解を深めていきます。
- 時制の使い分け
- 現在完了形と過去形の違い
- 助動詞 got/gotten の用法
- イギリス英語特有の仮定法表現
- 集合名詞の単数・複数扱い
- 前置詞・副詞句の定番差異
これらをマスターすれば、ビジネスの場面でも自信を持って英語を使い分けられるようになるでしょう。
①時制の使い分け
同じ出来事でも、イギリス英語とアメリカ英語で選ばれる時制はしばしば異なります。
結果が今に及ぶ短い過去は、イギリス英語では現在完了 “I’ve just eaten.”、アメリカ英語では過去形 “I just ate.” が主流です。
予定を語る未来形では、イギリス英語が “shall” を使うことが多いのに対し、アメリカ英語は “will” を使用します。
物語中の過去完了と過去進行形の重ね方も、アメリカ英語のほうが切り替えが速い傾向です。こうした差を時点別に並べた早見表を手元に置けば、TOEICやIELTSの時制問題も時短攻略できます。
②現在完了形と過去形の違い
新聞やドラマを比べると、現在完了と過去形の境界線がイギリス英語かアメリカ英語かによって揺れ動くのがわかるでしょう。
イギリス英語は結果が残る限り現在完了を貫き “She has gone home.”、アメリカ英語は行為完結を示す過去形 “She went home.” を使います。それゆえ、イギリス英語では “already / yet / just” といった副詞を多用します。
アメリカ英語の過去形は体験談として臨場感を高め、英語の現在完了は落ち着いた報告トーンを演出します。情景と結果の残り具合をイメージしながら音読すれば、二つのニュアンスを直感的に切り替えられるでしょう。
③助動詞 got / gotten の用法
got と gotten は同じ過去分詞から派生した双子ですが、使い分けを誤ると所有と取得の意味が逆転しかねません。
イギリス英語では所有・状態を表す完了形に “have got” を用い “I’ve got a ticket.” が会話の定番です。一方アメリカ英語は動作完了を強調する “have gotten” を選び “I’ve gotten a ticket.” で「入手した」を示します。
ただし “get married” などの状態変化では、アメリカ英語も “gotten” を避け “got married” を使います。意味とリズムの違いをペアで暗記すると、作文時に自然なフレーズが瞬時に浮かぶでしょう。
イギリス英語特有の仮定法表現
仮定法表現は現実味の度合いを調節する英語表現ですが、イギリス英語ではフォーマルな場面で使われることが多いです。代表例が、倒置を伴う “Should you have any questions, …” です。
アメリカ英語では、同義を “If you have …” と済ませることが多いので、イギリス流を案内文やスピーチに挿すと一段上の洗練を演出できます。
レターの冒頭・締めに差し込むだけで礼儀正しさと敬意が際立ち、ビジネスでも好印象です。
集合名詞の単数・複数扱い
“team” “government” “staff” など集合名詞が主語のとき、イギリス英語とアメリカ英語で動詞の数が分かれます。
イギリス英語はメンバーを個々に意識する場合 “The team are wearing their new kit.” と複数扱いで動きを強調します。一方アメリカ英語は、組織を単数実体とみなして “The team is wearing its new uniform.” と動詞も代名詞も単数に統一するのです。
迷ったら視点が「まとまり」か「個々」かを自問し、個を際立たせるならイギリス式複数、塊を示すなら単数を選択しましょう。慣れればスポーツ記事や統計ニュースもスムーズに読めます。
前置詞・副詞句の定番差異
最後に、軽視されがちな前置詞・副詞句の差についてご紹介します。
イギリス英語は “at the weekend” “in hospital” “Monday to Friday” “write to me” が基本、アメリカ英語は “on the weekend” “in the hospital” “Monday through Friday” “write me” と置換・省略が目立ちます。
移動を示す副詞もイギリス英語では “go round”、アメリカ英語では “go around” と語形がずれるため丸暗記では混乱しがちです。
日常の行動をイギリス英語とアメリカ英語の2通りで書き出す練習を続ければ、場面と表現が結び付き、即座に正しい前置詞を選べる「身体感覚」が養われます。
ビジネス文書で差が出る!文法スタイルの違い
ビジネス文書では、イギリス英語とアメリカ英語で書式や語調、文章構造に微妙な違いが表れがちです。
ここからは、
- メール・提案書のフォーマットとトーン比較
- 敬語レベルと丁寧表現の調整方法
- 校正・校閲で必ず見るチェックリスト
以上の3つの視点から、実務で即効性のある具体例付きで解説します。
①メール・提案書のフォーマットとトーン比較
ビジネスメールでは件名、挨拶文、署名のレイアウトにイギリスとアメリカで慣習差があります。
イギリス式は丁寧な呼称と長めの前置きで段落分けを細かくするのに対し、アメリカ式は簡潔な件名と短い冒頭挨拶から本題へ繋がります。
提案書では、イギリス式がフォーマルな目次とカバーレター重視、アメリカ式はExecutive Summaryの冒頭強調と箇条書きの活用が定番です。
これらを使い分ければ、受け手に好印象を与えられます。
②敬語レベルと丁寧表現の調整方法
英米間では敬語・丁寧表現にも微妙な階層があり、ビジネス場面での適切な調整が必須です。
イギリス式では「I would be grateful if you could…」のような婉曲表現を多用し、距離感を保ちつつ控えめに依頼するのが特徴です。
一方、アメリカ式は「Could you…?」や「Please…」でストレートに依頼しつつ、文末に「Thank you in advance」を付加して丁寧さを補完します。
役職や業界文化に応じて「Yours sincerely」や「Best regards」も使い分けましょう。
③校正・校閲で必ず見るチェックリスト
イギリス英語とアメリカ英語のスタイルガイドに基づく校正・校閲チェックリストは次の通りです。
- スペル差異
- イギリス英語: “travelling”, “labour”
- アメリカ英語: “traveling”, “labor”
- 句読点・引用符
- イギリス英語: ‘…’, “…” の順/カンマは引用符外
- アメリカ英語: “…”, ‘…’ の順/カンマは引用符内
- 日付・時刻表記
- イギリス英語: 12 June 2025/24時間制 14:30
- アメリカ英語: June 12, 2025/12時間制 2:30 PM
- 数字・単位の書式
- 小数点: イギリス英語 “3·14”(稀) vs アメリカ英語 “3.14”
- 単位: “20 kg” vs “20 lbs”
- ハイフンつなぎ
- 複合形容詞: イギリス英語 “well known author” vs アメリカ英語 “well-known author”
- 複合形容詞: イギリス英語 “well known author” vs アメリカ英語 “well-known author”
- 集合名詞の一致
- イギリス英語: “The committee are…”
- アメリカ英語: “The committee is…”
- オックスフォードカンマの有無
- イギリス英語は省略傾向: “apples, oranges and bananas.”
- アメリカ英語は明示: “apples, oranges, and bananas.”
- ダッシュのスタイル
- イギリス英語: スペース付きエンダッシュ “ – ”
- アメリカ英語: スペースなしエムダッシュ “—”
これらをチェックリスト化し、文書ごとに一つずつ確認することで、イギリス英語とアメリカ英語の混在を防ぐことができます。
IELTSとTOEFLで狙う文法ポイント
IELTSではイギリス英語の構文理解と運用力、TOEFLではアメリカ英語特有の文法パターンの正確性がスコアを左右します。
ここからは、IELTSで頻出するイギリス英語構文とその対策法と、TOEFLで高得点を狙うアメリカ英語文法パターンを、それぞれの特徴を例文と練習法を交えて解説します。
資格試験の取得を目指している方は、ぜひ学習の参考にしてください。
IELTSで頻出するイギリス英語構文と対策
IELTSリーディングやライティングでは、関係代名詞の省略や分詞構文、倒置法などイギリス英語で使われる高度な構文が多用されます。
以下にIELTSで頻出するイギリス英語構文をまとめました。
- 倒置
- 例: “Not only did the company expand, but it also doubled profits.”
- 対策: 肯定文 “The company not only expanded…” を倒置形に書き換える練習を繰り返す。
- 分詞構文
- 例: “Students, having read the article, asked insightful questions.”
- 対策: 主文を分詞構文に変換し、情報の前置きと簡潔さを身につける。
- 関係代名詞省略
- 例: “The strategy (that) we discussed is effective.” → “…we discussed is effective.”
- 対策: 穴埋め問題で “that” を取る練習を重ね、スムーズなライティング力を養成する。
過去の試験問題から類似例を抜き出し、音読とパラフレーズ演習を繰り返すことで、自分のライティングに自然に取り入れられるようにしましょう。
TOEFL 高得点に必須のアメリカ英語文法パターン
TOEFLでは、アメリカ英語らしいシンプルな構文を正確に使うことが重要です。特に、以下の文法パターンはスコアアップに直結しますので、確実に身に付けましょう。
強調構文
- 例: “What I found most challenging was the final task.”
- 対策: 平叙文 “I found the final task most challenging.” を強調構文に直す演習をする。
仮定法過去
- 例: “If I were to design a study, I would include surveys.”
- 対策: “If I designed…” とのニュアンス差を意識しながらシャドーイングする。
コロケーション
- 例: “make a recommendation” vs “take a break”
- 対策: イギリス英語とアメリカ英語の例文を対訳リスト化し、音読で身体に覚え込ませる。
アメリカ英語のニュース記事やPodcastを素材に「聞く」「書く」「話す」を連動させたシャドーイングを実践し、アメリカ式のパターンを体に染み込ませるのが効果的です。
おすすめ学習法!シャドーイング完全攻略
シャドーイングは英語学習の王道メソッドです。
イギリス英語とアメリカ英語、それぞれの発音・リズムを「聞いて」「即座に口に出す」ことで、リスニング力と発音力を同時に鍛えられます。
ここでは、シャドーイングの効果から教材選び、正しいやり方、よくある疑問まで網羅し、イギリス英語とアメリカ英語の両面で効果的に身につけるノウハウを徹底解説します。
シャドーイングとは?
シャドーイングは、聞こえた英語の音声の後を追うようにして発話する英語学習法です。
私たちはリスニングの際、「音声知覚」と「意味理解」という2つの能力を使って内容を理解しています。「音声知覚」とは、聞こえた音を英単語として認識する能力のことです。例えば「ラナウェイ」と聞こえたら、「run」と「away」という単語として認識する能力のことを言います。一方、「意味理解」は英単語の意味を認識する能力のことで、先ほどの例で言えば「run away」を「逃げる」と理解する能力です。
シャドーイングをすれば、これらの能力のうち「音声知覚」が向上します。「音声知覚」の能力が向上すれば音の処理にかける負荷が少なくなり、結果として「意味理解」のスピードも速くなり、リスニング力が向上するというわけです。
また、リスニング力だけではなく、シャドーイングを繰り返すことで発音力も副次的に向上します口の動きや呼吸タイミングも学習できるので、イントネーションの抑揚までもが自然に身に付きますよ。
教材の選び方とおすすめ音源
シャドーイングには、どのような教材を選べば良いのでしょうか。
教材には、①スクリプトがあり、②音声速度を調整でき、③クリアな音質の教材を選ぶのがポイントです。
イギリス英語教材には、BBC Learning Englishの“6 Minute English”がおすすめです。実用的なトピックで語彙も豊富なので、日常英会話からビジネスまで、幅広い英語を習得できます。また、Podcast版でダウンロードをすれば、Audibleの速度調整で0.75~1.25倍を自由に切り替えできるのもポイントです。
アメリカ英語の教材には、VOA Learning Englishの“American Stories”をおすすめします。ネイティブより少しゆっくりめのナレーションなので、特に初心者向きの教材です。
さらに、慣れてきたらTED Talksアプリの字幕機能をオフにして、実際のスピーチに挑戦すると応用力が磨かれます。
実践プロセス:シャドーイングの正しいやり方
シャドーイングを間違ったやり方で行ってしまうと、効果が実感しにくいでしょう。
シャドーイングは、以下の手順に沿って行ってください。
- 音声を聞き、内容がどのくらい理解できるかを確認する
- スクリプトと音声を照らし合わせ、内容と発音を確認する
- オーバーラッピング(音声に合わせてスクリプトを音読する)を5回程度行う
- 必要に応じてマンブリング(スクリプトを見ずに小声で音声を追いかける)を1〜3回程度行う
- シャドーイングを20回以上行う
- 録音と振り返りを行う
2日目以降は、上記の⑤と⑥を繰り返しましょう。
なお、2日目以降のシャドーイングは30回以上を目安に行ってください。
シャドーイングのよくある質問とその回答
ここでは、シャドーイングに関するよくある質問について、Q&A方式で答えました。
シャドーイング学習について悩みを抱えている人や、これからシャドーイングを始めたいと考えている人は、ぜひ内容を参考にしてください。
Q1: ネイティブの速さについていけない
A: シャドーイングの前に、マンブリングやオーバーラッピングをして口慣らしをしましょう。また、音声速度は0.6~0.8倍速から始め、慣れたら5%ずつ速度アップを行うのも効果的です。
Q2: イギリス英語とアメリカ英語、同じ日に両方やる?
A: 同じ日に両方の英語でシャドーイングしても問題ありません。セッションを分ける(朝にBBC、夜にVOAなど)ことで脳の区別がつきやすく、干渉を防げるためおすすめです。しかし、もしシャドーイング初心者や英語初心者の場合は1つのアクセントに絞る方が無難です。
Q3: 上級者向けの応用テクニックは?
A: 聞こえた音声を文字に書き起こす「ディクテーション」という学習を組み合わせ、「聞く→書く→話す」の3段階で学習を行うと、文法・構文理解も同時に深まります。
まとめ:イギリス英語とアメリカ英語を上手に使い分けよう!
本記事では、イギリス英語とアメリカ英語の文法上の違いについて解説し、おすすめの学習法としてシャドーイングをご紹介しました。
「シャドーイングで英語力を向上させたい!」という人には、シャドーイング特化型アプリ「シャドテン」をおすすめします。
シャドテンを使えば、英語のプロの添削で英語特有の音声変化を中心に毎日フィードバックを受けられます。シャドーイング学習を自己流のままで終わらすことがないため、短期間で効果が実感できるでしょう。
また、シャドテンにはアメリカ英語とイギリス英語それぞれの教材が揃っています。まずは無料トライアルを受け、英語力の伸びを実感してみてください。
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