日常生活ではあまり使う機会はありませんが、ビジネスの場で頻繁に登場するのが「社長」という役職名です。
「弊社社長が参加します」「社長に確認します」など、日本語では一言で表現できますが、英語では国や企業の制度によって使用される肩書が大きく異なります。
President / CEO / Managing Director など、どの表現を使えばよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば
- 「社長」を表す主要英語表現の違いと使い分け
- 名刺・メールで誤解を避ける肩書きの記載方法
- 海外企業とやり取りする際の注意点
- 役職英語を正しく理解するリスニングのポイント
がわかります。
「社長」を英語で自然に説明したい方や、海外ビジネスで正確に役職を伝えたい方は、ぜひご一読ください。
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社長=President?それともCEO?まずは基本を押さえよう
まず最初に押さえたいのが、「社長」は一語で英語に置き換えられないということです。
日本語の「社長」は会社のトップを意味しますが、英語では会社の組織構造(アメリカ型/イギリス型)によって肩書が異なります。つまり、「社長=President」と単純には言えません。
それぞれ意味が異なるため、「何を伝えたいのか」によって使い分ける必要があります。
まずは日本語での社長に該当する英語表現を押さえましょう。
「社長」を英語で言うと?代表的な3パターン
日本語の「社長」に対応しやすい代表的な英語表現は以下の3つです。
- President(プレジデント)
- CEO: Chief Executive Officer(最高経営責任者)
- Managing Director(管理責任者(取締役レベル))
例:
- He is the president of our company.
(彼は当社の社長です)- He is the CEO of ABC Corporation.
(彼はABC社のCEOです)
単語の響きだけで判断せず、「国」「会社の制度」「役割」によって使い分ける必要があります。
実務上どれを使えばいいかの判断基準
名刺やメールでは次の順番を優先して考えると安全です。
- 実際の役割(経営のトップか?)
- 代表権があるか?
- 海外相手国の役職制度
社内で公式にCEOを名乗っているならCEOと書くべきですし、代表権のある取締役の場合はRepresentative Directorを併記することもあります。
名刺・メールで使うときの注意点
名刺では次のような表記が無難です。
代表取締役社長
President & Representative Director
会社紹介では、説明文を添えると誤解が減ります。
例:Our president and the head of the board
(弊社社長・取締役会長)
役職別の正しい英語表現とニュアンスの違い
日本語の役職名は非常に種類が多く、英語に直接当てはめるのは難しい部分があります。
ここではよく使う主要な役職について、一般的な英語表現と役割のニュアンスを整理します。
代表取締役=Representative Director
代表取締役は、会社を対外的に代表する「法的な権限」を持つ役職です。
英語圏には同じ制度がないため、Representativeという補足語を入れて説明します。
例:Representative Director
(代表取締役)
取締役=Director
取締役は取締役会(Board of Directors)の構成メンバーで、会社の重要事項を決議する役割を持ちます。
英語のDirectorは「部署長」という意味ではありません。
例:Board of Directors(取締役会)
副社長=Vice President
Viceには「代理・次に続く」という意味があり、社長に次ぐ経営層の役職を表します。
ただし企業によっては部署ごとの責任者にもVPの称号を使用することがあります。
例:Vice President of Marketing
(マーケティング部門を担当する役員※副社長クラス)
専務/常務/部長/課長は英語でどう言う?
これらは日本独自の役職であり、英語圏に完全に一致する役職名が存在しません。
そのため、近い役割や権限を表す一般的な英語タイトルを使って説明します。
専務:Senior Managing Director
常務:Managing Director
部長:General Manager / Head of 〜
課長:Section Manager
海外向け資料・英語名刺で間違えないためのポイント
肩書は単なる翻訳ではなく、「どの権限を持つ人か」を正しく伝える必要があります。また国ごとに制度が異なるため、直訳せず相手国の制度に合わせた説明が必要です。
以下3つのポイントを押さえておきましょう。
- 肩書=権限を表す
- 国によって制度が違う
- 直訳は危険
英語圏の役職体系と日本の役職との対応関係
海外企業の役職と日本の役職は対応が完全ではありません。特にアメリカとイギリスでは違いが大きいと言われます。
英語圏の役職体系と日本の役職との対応関係を見ていきましょう。
President/CEO/Managing Directorの違い
CEOは「最終的な経営判断の責任を負うトップ」、Presidentは会社運営の実務面を統括するポジションという使い分けが基本です。
Managing Directorはイギリス圏の企業で使われることが多く、社長に近い立場を指す場合があります。
アメリカ・イギリス・アジアで異なる役職文化
アメリカではCEOとPresidentが分かれている企業が多い一方、イギリスではManaging Directorが実質的なトップとして扱われる傾向にあります。
アジアでは海外からの投資・グローバル展開の影響で、CEOとPresidentを併記して肩書を明確にする企業が増えています。
国によって会社制度が違うことを理解しよう
国ごとに会社法の仕組みや役職制度が異なるため、英語表記も単なる翻訳ではなく制度に合わせて使い分ける必要があります。
例えば、日本には代表取締役制度がありますが、アメリカには基本的に同じ制度がありません。そのため次のような説明が必要になります。
例:He is our President and Representative Director.
(彼は当社の社長兼代表取締役です)
英語では、「社長」と「代表権」を別々に説明する必要が出てくることが多い点も理解しておくと安心です。
場面別「社長にまつわる英語表現」例文
英会話シーンで実際に使える例文を紹介します。
自己紹介(社長としての紹介)
会議や訪問の冒頭で、自社のトップを紹介するときに使える表現です。
名前の前に役職名をつけることで、相手にも立場が明確に伝わります。
例:He is our president, Mr. Yamada.
(弊社社長、山田でございます)
会議・商談で使う社長の英語
挨拶やスピーチの前振りで使われることが多いフレーズです。
形式的な表現なので、ビジネスの場面ではとても自然に聞こえます。
例:Our CEO would like to say a few words.
(弊社CEOからご挨拶があります)
メール署名・名刺の肩書き
メールの署名や名刺では、正式な英語の役職名を記載することが重要です。
海外相手の場合、権限や責任範囲を正しく伝えるため、複数表記することもあります。
例:
President & Representative Director
CEO & Founder
社長に関する英語表現を使いこなすには
会議や商談では「社長」「CEO」といった役職が頻繁に登場します。しかし単語の意味を覚えるだけでは、実際の会話で正しく理解したり、自分の発言に自然に取り入れたりすることはできません。
社長に関する英語表現を使いこなすにはリスニング力が必要な理由と、リスニング力向上の方法を解説します。
ビジネスシーンで最も大切なのは「リスニング力」
社長やCEOといった役職名は、単体で使われることはほとんどなく、実際には “Our president will…” のように文脈の中で使われます。同じ “president” でも、代表権を持っているのか、運営の責任者なのかなど、会話の背景によって意味合いが変わることがあります。
その違いを正しく理解するには、語彙を覚えるだけでなく、その言葉がどのような状況で使われているのかを音声から判断できることが重要です。
例えば次のような表現を聞いたときに、誰が決定権を持つ人物なのかまで理解できると、会議の流れを掴むことができます。
- Our CEO will make the final decision.
(最終判断は弊社CEOが行います)- The president will join the meeting later.
(弊社社長は後ほど会議に参加します)
役職に関する英語は、言葉の背景や相手企業の文化、そして話し手の意図まで理解する必要があります。
つまり、「社長に関する英語表現や語彙」を実践で使いこなすためには、単語暗記と同時に、リスニングを通して文脈を理解する力が不可欠なのです。
リスニング力向上にはシャドーイング
前述の通り、社長に関する英語表現を自然に使いこなすには、単語の意味を覚えるだけでは不十分です。
会議や商談では “Our president will…” のように役職名が文脈の中に出てくるため、それが誰を示しているのかを正しく聞き取り、すばやく理解する力が欠かせません。
そのためのトレーニングとして効果的なのが、シャドーイングです。
【シャドーイングとは】
聞こえた英語音声の1~2語あとを、影のように追いかけて発話するトレーニング。スクリプトを見ずにトレーニングするため、実際のビジネスシーンに近い状況でトレーニングが実施できるのが大きな特徴です。
【シャドーイングのやり方】
シャドーイングは、以下のステップを基本に進めます。
Step1. 音源を聞く
まずスクリプトを見ずに音声を数回聞き、内容の流れや話し方をつかみます。
Step2. スクリプトで確認する
スクリプトを見ながら意味を理解し、わからない単語や表現を確認します。
Step3. オーバーラッピング
スクリプトを見ながら音声と同時に発話し、発音やイントネーションを真似します。音と単語・意味のつながりを意識しながら実施するのがポイントです。
Step4. シャドーイングを実施する
スクリプトを離し、音声の1〜2語後を追いかけるように発話します。音マネにならないように、音がどの単語・フレーズを発しているか意識しながら発話しましょう。
Step5. 振り返る
自分の声を録音して聞き返し、元音声と比べて改善点を意識します。
2日目以降はStep4とStep5のみ実施します。同じ音源は3〜4日繰り返し、音から意味を即座に理解できる状態を目指します。
【シャドーイングの効果】
シャドーイングには以下のような効果があります。
◆ 音声知覚の向上
音を単語・フレーズとしてとらえる力=音声知覚が向上します。
リエゾン(音の連結)やリダクション(音の脱落)といった英語特有の音に慣れることができ、ネイティブの早い英語でも聞き取りやすくなります。
◆ リスニング力の底上げ
音声知覚が向上することで、意味理解に余裕が生まれます。
音→単語・フレーズ→意味理解という一連のプロセスがスムーズになることで、リスニング力が底上げされ、「社長」「CEO」「President」のような役職語を含む英語も理解速度が上がります。
◆ スピーキング力の向上
リスニングに余裕が生まれることで、自身の意見をまとめ発話する一連のスピーキングプロセスに労力を割くことができるようになります。スピーキングにフォーカスを置けるようになることでコミュニケーションもスムーズになりやすいです。
◆ 発音・リズム感の改善
音源の完全再現を繰り返す中で、英語特有の音やリズムに慣れることができます。結果、発音やリズムが改善されネイティブの音に近い、相手に伝わりやすい話し方ができるようになります。
このようにシャドーイングは、「聞く → 理解する → 適切に返す」という一連の会話の流れを鍛え、実務の場でも自信を持って「社長」や「CEO」の英語表現を使える力を育ててくれます。

まとめ|社長の英語表現は“覚えるだけでは使えない”
英語の「社長」は、president / CEO / managing director / representative director など、国や企業の制度によって使い分けが大きく変わります。
しかし本当に大切なのは「相手が話している役職を正しく聞き取り、自分も正しい英語表現で返せること」です。
そのためには、社長に関する英語表現を覚えるだけでなく、会議や商談のスピードでも役職名を自然に聞き取れるリスニング力を鍛えることが欠かせません。
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教材は1000以上、アメリカ英語・イギリス英語を含む4つのアクセントに対応しており、自身の英語学習の目的やレベルにぴったりと合った教材でトレーニングできます。加えてAB再生や速度調整、スクリプト表示の切り替えもできるので、ストレスなく続けやすい仕様になっているのもポイントです。
社長やCEOなどの肩書きは、単語を知っているだけでは実務で使えません。英語が話されるスピードと音声変化に対応できる耳を育てることが、結局一番の近道になります。
英語で役職を正しく理解し、実務でスムーズに使いたい方は、ぜひシャドテンで一度シャドーイングを体験してみてください。
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