「公開資料」「公開設定」「公開リリース」――ビジネスの現場で頻繁に登場する「公開」という言葉。
しかし、いざ英語にしようとすると public? open? release? launch? share? と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば
- ビジネス英語でよく使われる「公開」の主要表現と違い
- シーン別に使える「公開」に関する実践的フレーズ
- 公開にかかわる英語表現を使いこなすコツ
などがわかりますよ。
英語で資料共有やサービス公開を正確に伝えたい方、オンライン会議で「公開」「非公開」「限定公開」を聞き漏らしたくない方は、ぜひご一読ください。
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「公開」の英語表現のコアとなる英単語
ビジネスで使う「公開」は、目的によって意味が異なります。
「誰でもアクセスできる状態なのか」「対象が限定されているのか」「発表されたのか」「公開準備中なのか」。英語ではそれぞれの状況を別の単語で表現するため、まずはコアとなる6つの英単語を理解することが重要です。
ここでは、頻出かつ実務で使い分けやすい単語を中心に整理していきます。
public:一般公開・誰でもアクセス可能
public は最もストレートな「一般公開」を表す単語です。対象は誰でもアクセス可能であり、特定の条件なしに閲覧できる状態を指します。
例:
- The price list is public.
(その価格表は一般公開されています。)- This report is publicly available.
(この報告書は一般公開されています/誰でも閲覧可能です。)
“publicly available” は論文・IR資料・政府データなどでよく使われます。また、public access(一般アクセス)は、特定の条件や権限を必要とせず、誰でも閲覧できる状態を指す表現です。
社外向け資料・Webページ・サービスのアクセス設定を説明する際に使われ、「公開されている」よりも“アクセス権が公開になっている”というニュアンスに近い語です。
open:公開状態・開かれている(対 private)
open は「開いている」という状態そのものを表します。対義語は private(非公開)、つまり公共に対して閉じているか開いているかの二軸です。
例:
- The event is open to the public.
(そのイベントは一般公開されています。)- The discussion will be an open session.
(その議論は公開セッションになります。)
open seminar / open lecture のように教育・イベント文脈で使われることが多く、単なる公開以上に「開放性」のニュアンスを含みます。
release:リリース・発表・公開開始(日時やタイミングと相性が良い)
release はIT・プロダクト領域で頻出です。機能・製品・データを「リリースする」=公開開始のタイミングを示します。
例:
- We will release the new feature on Friday.
(新機能は金曜日にリリースします。)- The results will be released next month.
(結果は来月に公開されます。)
“公開された状態” よりも、「公開へ切り替える瞬間」にフォーカスする点がポイントです。日付や時間と組み合わせることで明確なスケジュールを伝えられます。
publish:文書・資料・研究成果の公開
publish は出版・配布のイメージを持つ単語で、主に以下の用途で使われます。
- 研究成果を公表する
- 公式資料として配布する
- Webサイトにコンテンツを掲載する
例:
- The study was published in an academic journal.
(その研究は学術誌で発表されました。)- We published the annual report on the website.
(当社は年次報告書をウェブサイトで公開しました。)
書面性・客観性・公式性が伴う場面に強く、研究・IR・広報において信頼感のある表現です。
launch:製品やサービスの公開・ローンチ
launch は「始動」「市場投入」のニュアンスがあります。IT企業の新機能、スタートアップの新サービスで頻繁に登場します。
例:
- We are launching a new subscription plan.
(新しいサブスクリプションプランをローンチします。)- The product will be launched globally.
(その製品は世界規模でローンチされます。)
単なる公開ではなく、戦略的な発表・市場への投入という意味合いが強いため、マーケティング資料にもよく使われます。
share:限定共有・社内共有・アクセス権付き共有
share は「共有する」であり、全体公開を意味しません。特定の相手にアクセス権を付与するイメージです。
例:
- I shared the document with the team.
(その資料をチームと共有しました。)- Please share the link with the client.
(クライアントにリンクを共有してください。)
Slack、Google Drive、GitHub など、実務ベースのやり取りで最も使う表現と言えるでしょう。
シーン別「公開」の英語例文集
シーンによって頻出の「公開」にかかわる英語フレーズは違います。
ここでは、ビジネスでそのまま使える例文をコンパクトにまとめました。単語の意味理解に加え、運用の感覚をつかむ段階として活用してください。
公開しました・公開予定
例:
- The report has been released.
(その報告書は公開されました。)- The new feature will be launched next week.
(その新機能は来週ローンチされます/来週公開されます。)
どちらも社内報告で鉄板の表現です。完了形を使うことで「すでに公開済み」である点を明確にできます。
公開資料・公開情報を示す
例:
- The document is publicly available.
(その資料は一般公開されています。)- This is an open-access resource.
(これはオープンアクセスの資料です/誰でも閲覧可能です。)
研究・行政・広報で多用される表現で、公開範囲が明確に伝わります。
ウェブサイト・SNSでの公開
例:
- The video is now live.
(その動画は現在公開されています。)- We have published the update on our website.
(アップデート内容をウェブサイトで公開しました。)
“go live(公開される)” はIT領域で頻出です。聞き取れるとプロジェクト進行が格段に楽になります。
非公開(社内・限定)
例:
- This information is confidential / internal only.
(この情報は機密扱いです/社内限定です。)- The meeting will be a private session.
(その会議は非公開セッションになります。)
- confidential=守秘性
- internal only=社内限定
となります。状況によって言い分けるのが重要です。
ビジネスで使う「公開範囲」の言い分け
公開表現は単語だけでなく、範囲をどう指定するかが重要です。
「誰が見られるのか」「誰には見せないのか」を明確に伝えることがトラブル防止につながります。
社内限定・外部公開・招待制
例:
- internal only / for internal use
(社内限定/社内利用のみ)- open to the public / public access
(一般公開/誰でもアクセス可能)- invite-only / restricted access
(招待制/制限付きアクセス)
invite-only を聞き落とすと、不適切な共有が起こり得ます。
英語では情報の境界線を単語1つで表すことが多いため、聞き取り力が重要です。
公開設定・公開範囲設定
例:
- set to public / set to private
(公開設定にする/非公開設定にする)- change the visibility settings
(公開範囲の設定を変更する)
ITツールで必ず登場する語彙です。
GitHub、Notion、Google Driveなど世界的に共通の英語UIのため、しっかりとおさえておきましょう。
IT・Web・研究で頻出する「公開」を英語で表す
現代のビジネスでは、公開=デジタルなアクセス権を扱うことがほとんどです。
国内向けの現場でも、開発者・研究者・マーケター・広報は、ほぼ例外なくこれらの英語を使います。
YouTubeや動画プラットフォーム
public / unlisted / private / premiere
(公開/限定公開/非公開/プレミア公開)
unlisted(限定公開)は特に重要です。英語では「検索不可だがURLを知っていれば閲覧可能」という微妙な立ち位置を指します。
GitHubやコードの公開
- open source
(オープンソース/誰でも利用・改変可能なソースコード) - make the repository public
(リポジトリを公開状態にする) - MIT license, GPL license
(MITライセンス、GPLライセンス)
GitHubでは private → public の切り替えを誤ると大きな事故につながります。
表現の意味を曖昧にしたまま使うのは非常に危険です。
研究データや成果の公開
- publish the results
(研究成果を公表する) - release the dataset
(データセットを公開する/リリースする) - open-access journal
(オープンアクセスの学術誌)
アカデミック領域では publish が非常に多く使われます。一方で dataset は release することが多いなど、文脈ごとに使い分けが発生する点は注意しておきましょう。
イベント・セミナー・授業に関する「公開」の言い方
公開イベントは、特に参加条件で表現が変わります。
間違えると参加者トラブルにつながるため、正しく使い分けましょう。
公開講座・公開授業
- open lecture(公開講義)
- public class(公開授業/一般参加可能な授業)
- open seminar(公開セミナー)
public class は教育機関で一般的。
一方で open lecture は大学、研究所、行政イベントで使われます。
一般公開・一般参加可
- open to everyone
(誰でも参加できます/全員に開放されています) - open to the public
(一般公開されています)
どちらも自然な表現ですが、to everyone の方が対象が明確です。
公開日程・変更・延期の英語
公開スケジュールに関する表現は、誤解が最も致命的な領域です。
ここを聞き間違えるとプロジェクトに大きな損害を及ぼすこともあります。
公開日を伝える
- The release date is set for…
(リリース日は…に設定されています。) - It will go live on…
(それは…に公開されます。)
go live on はSaaS企業で多用される表現です。
予定変更・延期
例:
- The release has been delayed.
(リリースが延期されました。)- The launch date has been rescheduled.
(ローンチ日程が再設定されました。)
- delay = 単純延期
- reschedule = 日程再設定
意味が異なるため必ず聞き取れるようにしましょう。
公開中の状態・公開確認・更新の表現
公開後は、資料の修正依頼や更新通知、公開範囲の変更など細かなコミュニケーションが頻繁に発生します。
これらを英語で正確に理解できると、対応がスムーズになり、周囲から「仕事が早い」「信頼できる」と評価されやすくなります。
公開中かどうかを確認
例:
- Is it already live?
(もう公開されていますか?)- Is the document public?
(その資料は公開されていますか?)
シンプルですが、最も現場で使われる質問です。
公開情報の更新
例:
- We have updated the public information.
(公開情報を更新しました。)- The published version has been revised.
(公開版は改訂されています。)
- update = 内容変更
- revise = 版による修正
この違いがわかるととIT文書の理解が深まります。
公開情報の訂正・非公開化依頼
一度公開した情報を修正したり非公開にしたりする場面では、一つひとつの英語表現の意味を正しく理解することがとても重要です。
依頼内容を取り違えると、誤った情報が残ったり、削除すべき情報が公開されたままになったりして、企業の信頼やブランドイメージに大きな影響を与えるおそれがあります。
訂正の依頼
例:
- Please correct the published information.
(公開されている情報を訂正してください。)- We found an error in the public document.
(公開資料に誤りを発見しました。)
公開範囲を明確にしたうえで依頼を行うのがマナーです。
削除・非公開依頼
例:
- Please remove it from public access.
(それを一般アクセスから削除してください。)- Could you make the post private?
(その投稿を非公開にしていただけますか?)
make the post private はSNS・社内Wikiで多用されます。
公開に関する英語を使いこなすには
ここまで紹介した「公開」に関する英語表現を知識として覚えるだけでは、ビジネスの現場では十分に使いこなせません。
会議やチャット、資料の共有指示など、実務では公開・非公開・限定公開といった表現が音として登場し、その英語を正確に聞き取れることが求められます。
公開に関する英語表現を実践で扱うためにはリスニング力が必須である理由と、その効果的な鍛え方について解説します。
リスニング力が必須である理由
「公開」に関する英語は、語彙を覚えるだけでは不十分です。実際の音として理解できないと、現場での判断を誤るリスクが高まります。特に以下のような失敗は珍しくありません。
- 公開範囲の取り違え
“internal only” (内部のみ)を聞き逃して社外に共有 → 情報漏洩の原因に - 公開日程の誤認
“go live on Friday” (金曜日※今週か来週かは文脈に依存)を “this Friday”(今週金曜日) と解釈 → スケジュール混乱 - 限定公開の認識ミス
“unlisted” (限定公開)を聞き取れず、一般公開扱い → 予期しない拡散
このようなミスは、単語の意味を知っているだけでは防ぎきれません。
英語の音を瞬時に認識し、文脈と結びつけて理解するリスニング力こそが、公開に関する英語表現を正確に扱うための土台となるのです。
リスニング力を伸ばす最短ルートはシャドーイング
前述の通り、公開に関する英語表現を使いこなすには、リスニング力が必須です。シャドーイングを毎日の英語学習に取り入れ、効率よくリスニング力を向上させましょう。
【シャドーイングとは】
聞こえた英語音声の1〜2語後を追いかけて声に出すトレーニングです。スクリプトを見ずに耳だけを頼りに発話するため、実際のオンライン会議やビデオ会議と同じ条件下でリスニング能力を鍛えられるのが特徴です。
【シャドーイングのメリット】
◆音声知覚の向上
音と単語のつながりを意識しながらシャドーイングを実施することで、音声知覚(音を単語・フレーズとして捉える力)が向上します。音を聞いて即座に単語やフレーズがイメージできるようになり、リスニングの次のプロセスである意味理解へとスムーズにつながります。
◆ リスニング力の底上げ
音声知覚が向上することで、意味理解に余裕がうまれます。その結果「音→単語・フレーズ→意味理解」という一連のプロセスが格段に早くなり、リスニング力が底上げされます。
◆ スピーキング力の向上
相手の意図を正確に素早く把握できるほど、自分の考えを英語にし、発話するのにも余裕が生まれます。結果としてスムーズにスピーキングを行いやすくなります。
◆ 発音・リズム感の改善
シャドーイングではネイティブの抑揚・間・イントネーションを模倣するため、英語特有の音の流れが身体に定着します。
このようにシャドーイングは、公開に関する英語表現を安全に扱えるリスニング力の土台をつくるだけでなく、スピーキングや発音にも良い影響を与える学習法です。
「会議で聞き漏らしたくない」「何度も発言を聞き返されたくない」という人にとって、最適のアプローチだと言えるでしょう。

まとめ|公開に関する英語表現は文脈×音の聞き取りで使いこなす
公開に関する英語は、単語の意味よりも文脈が重要です。違いを理解しつつ、実務に合わせたシーン別フレーズを覚えることで正確なコミュニケーションが可能になります。
そして、これらの表現を実務で使いこなすには、音声から意味が認識できるリスニング力が欠かせません。
英語を実務レベルで使いこなしたいなら:シャドテン

リスニング力向上にはシャドーイングが効果的ですが、その効果を最大化させるのがシャドーイング特化型アプリ「シャドテン」です。
最大の特徴は、プロの英語コーチがあなたのシャドーイング音声を毎日添削してくれること。あなたが聞き取れていない音、リエゾンや脱落、強勢の不足まで丁寧にフィードバックしてくれるため、独学よりはるかに効率的に音声知覚を含むリスニング力を向上させられます。
教材は1000以上・4アクセント対応で、英語レベルや学習目的に応じた教材でトレーニングできるのも魅力です。さらに、AB再生・速度調整・スクリプト表示切替など、シャドーイングに必要な機能が揃っているため、効率的に継続できます。
今日からシャドテンで、実務に直結するリスニング力を鍛えてみてください。
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