日常的に海外とやり取りがある企業で事務員として働く方で、
- 「事務員」ってそもそも英語ではなんと表現する?
- メールは何とかなるけど、電話がつらい
- 受付で外国人が来ると焦ってしまう
といった悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、シーン別の英語フレーズをおさえリスニング力を向上させることが、問題解決の近道です。
この記事を読めば、
- 「事務員」を表す英語表現
- 事務員が実務で即使える英語フレーズの基本
- 電話・来客・メールなどシーン別の自然な英語表現
- 単語の暗記ではなく聞き取って返せる英語力を育てるコツ
- 事務業務に直結するリスニング強化の具体的な方法
がわかりますよ。
英語での事務対応に不安を感じている方や、毎日の業務で即使える英語力を身につけたい方は、ぜひご一読ください。
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そもそも「事務員」は英語でどう表現する?
英語で「事務員」を表す際には、担当業務や役割に応じていくつかの表現が使い分けられます。
最も一般的なのは “office clerk” で、幅広い事務作業を行うスタッフを指す包括的な表現です。電話対応や来客対応など事務全般を担当する場合は “administrative assistant” や “office assistant” が自然で、ビジネスシーンでより丁寧かつ専門的に聞こえます。
経理寄りの事務であれば “administrative clerk”、受付業務中心なら “receptionist” が適切です。また、総務的な役割を担う場合には “office administrator” や “administrative staff” と表現できます。
このように、「事務員」は英語では仕事内容に応じて言い換えることが重要で、文脈に合わせた表現を選ぶことでより自然で正確な英語になります。
【シーン別】事務員が押さえるべき英語の基本フレーズ
日々の事務業務は、単なる翻訳では対応できません。
電話、メール、来客などそれぞれの場面には文脈に応じた自然な英語が存在し、相手の意図を適切に理解して返す柔軟性が求められます。
ここでは事務員が実務で即使えるフレーズを、状況別に整理して紹介します。
電話対応
英語の電話対応は、多くの事務員が苦手とする場面です。音声のみのやり取りで、表情やジェスチャーに頼れません。
聞き取りの精度=対応品質に直結します。まずは頻出する受電・取次ぎ・折り返しの基本を押さえましょう。
▷基本の受電表現
- May I ask who’s calling?
(どちら様でしょうか?)- Could you tell me your name, please?
(お名前をお伺いできますか?)
▷取次ぎ
- I’ll put you through.
(お電話をおつなぎします)- One moment, please.
(少々お待ちください)
▷折り返し依頼
- Could you leave a message?
(伝言をお預かりしましょうか?)- I’ll ask them to call you back.
(折り返すよう伝えます)
このような定型文を知っていても、相手の発話を聞き取れなければ応用できません。
特に会社の名前や数字、日付や部署名は、訛り・早口・脱落が起きやすく、初心者がつまずきやすいポイントです。
▷聞き返し
- Could you speak slowly?
(ゆっくり話していただけますか?)- Could you repeat that?
(もう一度言っていただけますか?)- Sorry, I didn’t catch that.
(すみません、聞き取れませんでした。)
「相手の英語が速すぎる」「雑音で聞き取れない」と感じたときは、遠慮せず聞き返してください。
聞き返すこと自体は失礼ではなく、むしろ正確な対応を保証するプロの姿勢です。
来客対応
受付は会社の第一印象を左右する重要な仕事です。
丁寧さと簡潔さがポイントであり、難しい表現は必要ありません。
▷受付・案内
- Welcome to our office.
(弊社へようこそ。)- How can I help you today?
(本日はどのようなご用件でしょうか?)- Please have a seat.
(どうぞお掛けください。)
▷担当者呼び出し
- I’ll let them know you’re here.
(ご到着を担当者にお伝えします。)- I’ll check if they are available.
(対応可能か確認いたします。)
▷待機依頼
- Please wait a moment.
(少々お待ちください。)- I’ll be right with you.
(すぐに対応いたします。)
来客対応は、短い口頭表現の連続です。
特に外国人から質問が飛び交う場合、語彙力ではなく瞬時の理解と反応が求められます。その基盤はやはりリスニング力です。
メール対応
メールは事務業務の中心です。英語には「丁寧さの階層」があり、適切に使い分ける必要があります。
以下はどの会社でも使える万能表現です。
▷導入
- Thank you for your email.
(メールありがとうございます。)- I hope you’re doing well.
(お元気でお過ごしでしょうか。)
▷依頼
- We would appreciate it if you could…
(〜していただけると幸いです。)- Could you kindly confirm…?
(〜をご確認いただけますでしょうか。)
▷催促・リマインド
- Just a friendly reminder…
(念のためのリマインドです。)- We are still waiting for…
(まだ〜をお待ちしております。)
▷締め
- Let me know if you have any questions.
(ご不明点があればお知らせください。)- Best regards,
(よろしくお願いいたします。)
英語のメールでは直接的な表現を避けることが重要です。依頼を伝える際も “Do…” ではなく“Could you…” や “We’d appreciate it if…” のように距離感を保つ言い回しを使います。
アポイント調整・会議設定
スケジュール調整は事務員の腕の見せどころです。
明確・簡潔・余計な解釈の余地を残さない表現が理想です。
- Are you available on Wednesday at 3 PM?
(水曜の午後3時はご都合いかがでしょうか?)- Here are the available slots:
(こちらが空き時間です。)- Please let me know your preferred time.
(ご希望のお時間をお知らせください。)
オンライン会議ではリンクや使用するツールも明示すると良いでしょう。
- I’ll send the meeting link.
(会議のリンクをお送りします。)- We’ll use Zoom / Teams / Google Meet.
(Zoom/Teams/Google Meetを使用します。)
議事録・メモ
議事録やメモは、会議の参加者全員を助ける重要な業務です。用語を押さえて、わかりやすい議事録・メモを作成しましょう。
- action items(次の行動項目)
- follow-up tasks(フォローアップすべきタスク)
- decision made(決定事項)
特に“action items”は外資で頻出です。
議事録は「要点→誰が→いつまでに」を明確にするのが鉄則です。
社内業務でよく使う事務英語
事務員の仕事はバックオフィスの要です。
日本語なら即答できる内容でも、英語となると語彙不足で回答できなくなるケースも多いでしょう。
ここでは社内業務に頻出する単語・フレーズを整理します。
入社手続き・オリエンテーション
人事・総務業務に携わる人は、以下の用語は必須です。
- onboarding:入社研修・受け入れ
- forms:各種書類
- ID:社員ID
- payroll:給与処理
例:
- Please fill out these onboarding forms.
(これらの入社手続き用紙にご記入ください。)- Your ID will be ready tomorrow.
(あなたの社員IDは明日準備が整います。)
物品管理・在庫・発送
備品管理や発送も事務員の大切な仕事です。
以下の単語をしっかりと押さえておきましょう。
- stock / inventory:在庫
- shipment / delivery:発送
- tracking number:追跡番号
例:
- The shipment has already left our warehouse.
(その発送品はすでに倉庫を出ています。)- We are out of stock, expected restock next week.
(現在在庫切れですが、来週の入荷を予定しています。)
請求書・契約書の基本用語
会計・経理部門のやり取りでは、以下の単語が必須です。
- invoice:請求書
- quotation:見積書
- contract:契約書
- due date:支払期限
- penalty:遅延罰金
例:
- Could you send us the invoice by Friday?
(金曜日までに請求書を送っていただけますか?)- The due date is stated in the contract.
(支払期限は契約書に記載されています。)
日本語訳を覚えるのではなく、使用文脈で理解することが重要です。
例えば“due date”は「締切」ではなく「支払い期限」である点などに留意しておきましょう。
報連相(報告・連絡・相談)
日本企業で必須の「報告」「連絡」「相談」は、英語でも同様に業務を円滑にする重要な要素です。
やり取りをスムーズにするためには、状況を簡潔に共有し、相手の判断材料を明確にする表現を押さえておきましょう。
- report:報告する
- update:状況共有する
- ask for advice:相談する
例:
- Just to update you, we have received all the documents.
(共有ですが、必要書類はすべて受領済みです。)- I’d like to ask for your advice regarding the new contract.
(新しい契約についてご相談したいです。)
“Just to update you,” は柔らかく、最新状況を伝える際に非常に自然な表現です。
日本語で言う「念のため共有です」「現状こうなっています」に近い感覚で使えます。
英語での依頼・確認・クレーム対応の言い回し
事務員の業務は調整・交渉・依頼の連続です。
適切な表現を使えば、相手の心理的負担を下げ、スムーズに業務が進みます。
特に「言い回しの強度」を理解すると、英語の実務レベルが一段上がります。
依頼
依頼の英語表現は“どれだけ相手に負担を与えるか”で強度が変わります。
目的に応じて表現を使い分けることで、コミュニケーションが円滑になり、業務のスピードも上がります。
- Could you…?:柔らかい依頼
- Would you mind…?:控えめで丁寧な依頼
- I’d appreciate it if you could…:丁寧かつフォーマルな依頼
- We need you to…:強めの依頼(必須)
- It’s necessary that you…:業務上必要な依頼
例:
- Could you send me the updated file?
(最新のファイルを送っていただけますか?)- I’d appreciate it if you could confirm the schedule.
(スケジュールをご確認いただけると助かります。)
特に “We need you to…” は期限内の対応が必須である場合に有効です。
依頼表現の選び方は相手の心理的負担やプロジェクトの成功率に直結します。
クレーム対応・トラブル調整
外国人顧客の不満やトラブルが発生した場合は、状況把握 → 安心 → 代替案の順で進めるのが鉄則です。
怒りに直接反応するのではなく、冷静にプロセスへ引き戻す表現を使いましょう。
- Let me check.:確認しますね
- Thank you for your patience.:お待ちいただきありがとうございます
- We’ll follow up.:追って対応いたします
例:
- Let me check the details and get back to you.
(詳細を確認して折り返しご連絡します。)- Thank you for your patience, we’re working on the issue.
(お待ちいただきありがとうございます。現在対応中です。)
怒りの感情を直接受け止めるのではなく、対応プロセスに顧客を導くことが大切です。
誠実さと落ち着きが伝わる英語を使うことで、信頼を損なわずに解決へ進められます。
締切・進捗・タスク完了
事務業務では、案件の状態を明確に共有することが重要です。
日本語では曖昧なまま伝えてしまう内容でも、英語では単語単体で進捗の整理ができるのが特徴です。
- due:期限
- deadline:締切
- pending:保留
- complete:完了
例:
- The deadline is next Monday.
(締切は来週の月曜日です。)- This request is still pending.
(この依頼はまだ保留中です。)
特に “pending request” はビジネスで頻出します。感覚としては「宙に浮いている案件」といった感じです。
状態を共有する言語として覚えておくと、社内連携が格段にスムーズになります。
事務員が英語に苦戦する原因は“リスニング力”にある
上記のフレーズを押さえると、格段に英語での事務対応がしやすくなります。
一方で、単に暗記するだけでは使いこなせるようにはなりません。事務員が英語に苦戦する理由が「リスニング力」にある理由と、その向上方法を解説します。
聞き取れなければ正しく対応できない
例えば、税務の問い合わせを受けたとします。
“Could you send the tax documents before the deadline?”
(締切前に税務書類を送っていただけますか?)
しかし意味が聞き取れないと、書類の種類もメール対応も何をすべきなのか分かりません。
つまり知識があっても聞き取れなければ、学んだ英語フレーズを使うことはできないのです。
英語の音が聞き取りづらい理由
英語は「文字」と「音」が一致せず、日本人にとっては聞き取りづらい言語です。それには以下のような原因があります。
●リエゾン(音の連結)
例:take it → テイキッ
●弱形(短く弱い母音)
例:of / to / for が聞こえづらい
こういった英語の音変化をしっかりと押さえなければ、相手の言っていることを聞き取れるようにはなりません。
前述のように聞き取りができなければ、当然意味がつかめず、学んだ表現を活かすことはできないでしょう。つまりリスニング力は、事務員が英語で業務をする上での土台と言えるのです。

リスニング力向上にはシャドーイング
事務員として必要な英語表現を覚えていても、相手の発話を聞き取れなければ実務では使えません。
シャドーイングを英語学習に取り入れ、リスニング力を向上させましょう。
■ シャドーイングとは?
英語音声の1〜2語後を追って声に出す学習法です。耳で理解しながら発話するため、実際の業務と近い負荷でリスニング力を鍛えられます。単なる聞き流しではなく、能動的に処理し続ける訓練である点が特徴です。
■ 事務業務で役立つシャドーイングの効果
①リスニング力向上
シャドーイングを続けると、音を単語として素早く認識する「音声知覚」が育ちます。例えば日常的な会話でも、
- “Could you send me the invoice?”(請求書を送っていただけますか?)
- “I’ll check and get back to you.”(確認して折り返します。)
などの表現も、音から即座に単語・フレーズがイメージできるようになります。その結果、意味理解にも余裕が生まれ、リスニング力そのものが底上げされるのです。
②スピーキング力向上
リスニング力が向上することで脳のキャパシティを自分の言いたいことを考えることに使えるようになるため、業務での英語対応が楽になるのもシャドーイングのメリットです。
③文脈で語彙が定着する
シャドーイング前にスクリプトを確認すれば、語彙が「辞書的な意味」ではなく、使用場面とセットで習得できます。さらに英語特有の音の連結や弱形も自然に吸収でき、電話対応や受付でも聞き取れる耳が育ちます。
④英語のリズム・音が身につく
シャドーイングで聞こえた音源の完全再現を繰り返す中で、英語特有のリズムや発音に慣れることができます。英語の音が聞き取りやすくなるだけではなく、ネイティブのようなナチュラルな発音やリズムに近づけることができ、相手にとって聞きやすい英語に変化していきます。
シャドーイングの詳しいやり方については以下の記事で詳しく解説しているのでぜひあわせてお読みください。

シャドテンで「リスニング力」を向上させよう
事務員の英語は、定型的な表現を覚えるだけではなく、「相手の言葉を理解する」ことも大切です。
前項でご紹介したシャドーイングを続け、リスニング力を向上させましょう。
シャドーイングの効果を最大化させる「シャドテン」

シャドテンは、シャドーイング特化型アプリです。
最大の特徴は、あなたの発話を英語コーチが毎日添削してくれること。英語特有の音声変化に基づき、良かった点と改善点をフィードバックしてくれるため効率よく正しい音声変化を身につけることができます。
教材は1000以上、アクセントも4種類と豊富で多様な英語話者に触れられるため、電話・受付・会議メモなど事務員の実務に直結します。さらにAB再生・速度調整・スクリプトのON/OFFといった機能により、ストレスなくシャドーイングが続けられる仕様である点も特筆すべきポイントです。
シャドーイングを続けることで、英語対応を任されるたびに不安になっていた人でも、耳が追いつき、口が動く感覚を実感できるはずです。
事務員としての英語対応に自信をつけたいなら、一度試してみてください。
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