日常会話でもビジネスでも、ふとした場面で登場するのが「今のところ」という表現です。
「今のところ問題ありません」「今のところ検討中です」など、日本語では自然に使い分けられますが、英語では for now、at the moment、so far のように複数の表現があり、場面によって意味やニュアンスが大きく異なります。
そのため、英語では同じ「今のところ」を訳すつもりでも、誤解を招いたり過度な期待を与えたりしてしまうケースが少なくありません。
この記事を読めば
- 「今のところ」を表す主要英語表現の違いと使い分け
- 会議・進捗報告・メールなどシーン別で使える自然なフレーズ
- 「今のところ」の英語表現を使いこなす方法
などがわかりますよ。
英語で自信を持って「今のところ」を伝えたい方、状況説明を正確に行いたい方は、ぜひご一読ください。
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「今のところ」を表す英語の基本表現
「今のところ」を自然に英語で表現するには、単語そのものを暗記するのではなく「どの時間軸を前提に語っているか」を把握することが大切です。
まずは「今のところ」を表す英語の基本表現を見ていきましょう。
for now|一時的な状態や仮置きを示す定番
for now は「とりあえず」「現時点では」というニュアンスを持つ表現です。決定事項や進行状況が“暫定的”であることを示し、状況が今後変わる可能性を前提にしています。
いつまで続くかわからない“暫定性”を含む表現とも言い換えられます。例えばプロジェクトで仕様を確定できない場合、for nowを使って以下のように説明できます。
例:Let’s go with this plan for now.
(ひとまず、このプランでいきましょう)
次に変更があるかもしれない気配を含んでおり、「これが最終ではない」という含みを持たせたい場面に適しています。社内の相談、現場判断、仮置きの意思決定など、柔らかい伝え方をしたい時に便利です。
at the moment|現在の瞬間にフォーカスした「今のところ」
at the moment は現時点での状況説明です。「今この瞬間では」という意味が核になります。
未来はどうなるかわからないが、現状はこうだと丁寧に伝える表現です。
例:We’re on schedule at the moment.
(今のところ予定通り進んでいます)
柔らかい丁寧な印象を与えるためメールでも会議でも使いやすく、for now より丁寧です。状況説明に客観性があり、顧客報告や管理職へのレポートに適しています。
so far|過去から現在までの進捗を評価する「今のところ」
so far は進捗報告、成果報告で多用されます。「これまでの範囲では」「ここまでの結果は」という意味です。
過去から現在までの積み重ねに着目した表現で、プロジェクト進捗や成果報告に必須の表現と言えます。
例:So far, everything is on track.
(今のところすべて順調です)
So farは、過去区間にフォーカスしているのが特徴です。
未来を保証する含みはなく、「ここまでに関してはうまくいっている」と冷静に伝えるため、チーム共有・会議報告・KPIレビューなどで重宝します。
until now|ここまでの範囲を厳格に示す「今まで」
until nowは、so farより強い「ここまで」の線引きで、厳密な境界線を引く表現です。ここまでの期間や行為のストップラインを明確に伝える場合に使用します。
例:We had no issues until now.
(今まで問題はありませんでした)
この例文の場合、ここまで順調だったが今は状況が変わったというニュアンスを含みます。否定文と組み合わせると、過去のミスが“完全にないこと”を強く断定します。
契約・品質保証・監査などのビジネスシーンで使う際は、慎重に扱いましょう。
文脈で変わる!「今のところ」の使い分け
「今のところ」は、意味だけでなく文脈によって使う英語表現が大きく変わります。
ニュアンスが違う表現を混同すると、相手に誤解を与えたり、責任範囲を狭く見積もられたりする原因になることもあり注意が必要です。
ここでは実際に使うシーンに紐づけて整理します。
「一時的に様子を見ている」→ for now
for now は、決定事項を「暫定的に」進めるときに使う表現です。社内の議論が終わっていない段階や、複数候補の中から仮の選択を行う場合など、柔軟性を残したまま進めたい時に便利です。
強い断定を避けつつ「まずはこれで行こう」というニュアンスを示すため、関係性を壊さずスムーズに話を進められます。
例:Let’s keep this approach for now.
(ひとまず、この方針で進めましょう。)
ここでは“最終決定”というニュアンスはなく、あくまで当面の方針という位置づけです。柔らかい断り方としても有効で、「後で変更する可能性がある」余地を残す点がポイントです。
「現時点での状況」→ at the moment
at the moment は、訂正の余地や感情を挟まず「現在の状況」を客観的に伝える際に最も自然な表現です。
例えば顧客から進捗を問われたときに「現時点では回答できない」状況を説明する場合など、事実だけを落ち着いたトーンで伝えたい場面に向いています。
例:There’s no update at the moment.
(今のところ、更新情報はありません。)
この表現は、相手への配慮を含みながらも、余計な期待を持たせないメリハリがあります。顧客や上司へのレポートで使いやすく、「状況は変わりうるが、今はこうです」という姿勢を丁寧に示せる点が強みです。
for now よりもビジネス的に落ち着いた響きがあるため、公式・半公式のコミュニケーションに適しています。
「進捗・結果の報告」→ so far
so far は、現在までの積み重ねや実績を評価する文脈で使います。
単に「今のところ」ではなく「これまでの成果はこうだ」という視点を含むため、KPIレビューや進捗共有など、数字や成果が関係する報告に非常に強い表現です。
例:So far, we’ve hit all our milestones.
(今のところ、すべてのマイルストーンを達成しています。)
このフレーズは未来の確実性を保証しません。あくまで「ここまでの範囲では問題ない」という冷静なスタンスを保つため、聞き手に安心感を与えつつも過剰な期待を避けられます。
プロジェクトチーム内・役員報告・クライアント共有など、多くのビジネスシーンで説得力のある伝え方です。
「ここまで・境界線」→ until now
until now は、現時点までの期間を明確に区切り、「ここから状況が変化した」という転換点を示す際に用います。
事故報告やシステム障害、品質問題など、タイミングが重要なケースで頻出の表現です。
例:Everything was fine until now, but…
(今までは問題ありませんでしたが…)
この表現は、問題の発生点や責任範囲を明確に示す役割を持ちます。特に監査・品質保証・リスク報告などでは、誤解を避けるための中立的な区切りとして効果的です。
そのため、「状況は変わった」という事実をオープンに共有しなければならない場面に最適な表現です。
シーン別|「今のところ」の英語例文
実務で使える表現は、定義だけではなく文脈を伴った例文を知ることが重要です。
ここではシーンごとに即使えるフレーズを紹介します。
ビジネスメール
ビジネスメールでは、感情を抑えた事実ベースの表現が求められます。相手に安心感を与えつつも、断定せず余地を残すのがポイントです。
例:
- There’s no issue for now.
(今のところ問題ありません。)- We are still reviewing it at the moment.
(今のところ検討中です。)- I’m unable to answer for now.
(今のところ回答できません。)
会議・進捗報告
会議では進捗の度合いが重要です。so far は過去の積み重ねを評価し、at the moment は「現状」を落ち着いて伝えるニュアンスになります。
例:
- So far, everything is on track.
(今のところすべて順調です。)- We are on schedule at the moment.
(今のところ予定通りです。)
顧客対応・カスタマーサクセス
顧客対応では、過剰な期待を持たせない表現が大切です。状況が変わる可能性を残しつつ、対応状況を正確に共有します。
例:
- The issue has been handled for now.
(今のところ対応済みです。)- The cause is unclear at the moment.
(今のところ原因不明です。)
営業・契約交渉
契約交渉では、強い断定を避けつつ方向性を示すことが求められます。
「変更なし」「保留」の表現は、言い方によって印象が大きく変わるため慎重に使いましょう。
例:
- There are no changes planned for now.
(今のところ変更予定はありません。)- Let’s put it on hold for now.
(今のところ保留でお願いします。)
採用・選考・社内連絡
採用や社内の進捗共有では、感情を入れず淡々と状況を伝える表現が適しています。
回答保留や選考継続を穏やかに示す場合に有効です。
例:
- There’s no update at the moment.
(今のところ報告はありません。)- We’re still considering it for now.
(今のところ検討段階です。)
予約・サービス案内
案内では、事実を明確に伝えることが最優先です。特に予約状況は誤解がトラブルに直結するため、丁寧な言い回しが求められます。
例:
- It’s fully booked at the moment.
(今のところ満席です。)- We will let you know if anything changes.
(変更があればお知らせします。)
日常的・カジュアルな会話
日常会話では、短く柔らかい表現が自然です。
友人同士や社内の軽いやり取りでは、肩肘張らずに言う方がネイティブらしい響きになります。
例:
- For now, yeah.
(今のところね。)- So far, it’s fine.
(今のところ問題ないよ。)
ネイティブがよく使う「今のところ」リアル表現集
辞書に載っていなくても、現実の会話で頻出する表現は別に存在します。
ここではネイティブの口からよく出る言い回しを紹介します。
as of now
as of now は、公式アナウンスや事務的な連絡で多く使われる表現です。
制度や期限、人数、方針など数字や事実に基づく情報と相性がよく、「現時点ではこうだ」という情報共有に適しています。
例:
- As of now, no changes will be made.
(現時点では変更はありません。)- As of now, we have 120 participants registered.
(今のところ120名の参加申込があります。)
for the time being
for the time being は日本語の「当面は」「暫定的に」に近く、期間を限定した判断に使う表現です。
短期的な方針転換や、組織的判断を柔らかく伝えたい場合に特に有効です。
例:
- We’ll stay remote for the time being.
(当面の間はリモート勤務を継続します。)- We’ll keep the current rule for the time being.
(当面は現行のルールを維持します。)
up to now
up to now は過去の積み重ねに明確な区切りをつける表現です。
ここまでの評価がどうであったかを強調しつつ、状況の変化や注意喚起を示す際に有効です。
例:
- Up to now, there have been no customer complaints.
(これまでのところ、顧客からの苦情はありません。)- Up to now, everything has gone smoothly.
(ここまではすべて順調に進んでいます。)
「今のところ」を正しく使いこなすには?
「今のところ」の英語表現は、単語を暗記するだけではビジネスの現場で使いこなせません。
ここでは、「今のところ」を自然に使いこなすうえでなぜリスニング力が必須なのか、そしてどう鍛えるべきかを解説します。
リスニング力が必須の理由
「今のところ」の表現は、単に状況を伝える言葉ではありません。相手の発言内容を理解し、その背景にある“時間軸”を正しく捉えたうえで使う言葉です。ここが弱いと、そもそもどの表現を選ぶべきか判断できません。
例えば、会議中にクライアントが“We’re on schedule at the moment.”(今のところ予定通り進んでいます。)と言った場合、これは「今のところは予定通り」という現状報告にすぎません。しかし、もしこれを聞き取れず「問題なし」と受け取ると、先方が抱える不安や“状況が変わる余地”を見逃すことになります。
また、会議ではこの「今のところ」の表現がまとめや次のアクションにつながるキーワードとして使われることが多くあります。例えばチームリーダーが、議論を整理しながらこう締める場面は珍しくありません。
“So far, we’re on track, so let’s continue with the current plan.”
(今のところ順調なので、このまま進めましょう。)
この一言には、現状の理解 → 判断 → 行動という流れが凝縮されています。つまり「今のところ」は単に状況を述べるだけでなく、次の意思決定を導く“前提条件”なのです。
しかし、この根幹となる“状況の理解”ができていなければ、当然その表現を使いこなすことはできません。つまり状況理解を支えるリスニング力がなければ、覚えたフレーズはただの“知識”にとどまり、実務では役に立ちません。
「今のところ」を適切に使うための出発点は、英語を音として捉え、文脈に沿って理解できる耳を育てることなのです。
リスニング力向上にはシャドーイング
前述の通り、「今のところ」の英語表現を使いこなすにはリスニング力が欠かせません。シャドーイングを英語学習に取り入れ、リスニング力を効果的に向上させましょう。
【シャドーイングとは】
聞こえた英語音声の1〜2語後を影のように追いかけて口に出すトレーニングです。スクリプトを見ず、耳だけを頼りに発話することで、実際の会議や ネイティブの会話と同様の負荷がかかります。
【シャドーイングの効果】
◆ 音声知覚の向上
シャドーイングを続けることで、音と単語・フレーズを結びつける力=音声知覚が向上します。英語にはリエゾン(音の連結)やリダクション(音の脱落)が存在します。at the moment の at the が弱く 「ァッダモーメン」 のように聞こえたり、for now が 「フォナゥ」 のように一塊に聞こえたりするのは日常茶飯事です。
こういった聞こえにくい音も、シャドーイングで音声知覚を向上させることで、スムーズに音や単語がイメージできるようになります。

◆リスニング力の底上げ
音声知覚が伸びると、音 → 単語 → フレーズ → 意味 の処理がスムーズになります。
会議で誰かが“So far, we’ve met all the milestones.”と言ったとき、即座に音・フレーズが捉えられることで、この文章の意味がなんなのか考える余裕が生まれるのです。結果、ネイティブが話すスピードでも対応できるようになり、今のところ〜 に基づいた意思決定が可能になります。
◆ スピーキング力の向上
リスニング力が上がると、相手の意図や状況を素早く把握できるため、返答を考える時間に余裕が生まれます。その結果、文章の構築もしやすくコミュニケーションが取りやすくなります。
◆ 発音・リズム感の改善
シャドーイングは音を真似するトレーニングなので、英語特有の強弱・抑揚・リズムが自然に身につきます。例えば at the moment を不自然に区切らず、「アダモーメンt」 とリズムで捉えることで、相手に伝わる英語になります。
このように、シャドーイングはコミュニケーションという観点でメリットがたくさんある学習です。詳しいやり方は以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてお読みください。

シャドテンで「今のところ」の英語表現を使いこなそう
「今のところ」を英語で適切に使いこなせるようになると、会議や進捗報告の伝わり方が大きく変わります。
しかしそれらの表現を使いこなすには、 for now や at the moment を覚えるだけでは十分ではなく、実際の会話でその表現を聞き取れるリスニング力が欠かせません。
シャドテンでリスニング力を最短で向上させる

リスニング力を最短で向上させたい方におすすめなのが、シャドーイング特化型アプリ「シャドテン」です。
シャドテンでは、プロが英語特有の音声変化を中心に毎日添削してくれ、自分では気づけない聞き取りの弱点や発音の癖を改善できます。
教材は1000以上、4つのアクセントに対応しており、レベルや目的に合わせて最適な教材を選べるのも魅力です。さらにAB再生、速度調整、スクリプト表示切替など、シャドーイングのやりやすさに徹底的にこだわった機能が揃っています。
英語でのコミュニケーションを改善したい場合、継続的なシャドーイング練習が最短の近道です。ぜひ一度シャドテンを体験してみてください。
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