「次の超大国は、あなたの予想とは違う。」そんな挑発的なメッセージで始まるTEDトークが、政治学者 Ian Bremmer(イアン・ブレマー)氏の「The Next Global Superpower Isn’t Who You Think」です。
これまで世界を動かしてきたのはアメリカや中国のような国家でしたが、今やAIとテクノロジーを武器にした企業が国境を超えて力を持つ時代に突入しています。
このトークを通して、最新の国際情勢を学びながら英語力を鍛えるのはとても効果的です。印象的なフレーズをシャドーイングしながら、リスニング力とスピーキング力を同時に伸ばし、世界を多角的に捉える視点も一緒に身につけていきましょう。
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イアン・ブレマーのTED「The Next Global Superpower Isn’t Who You Think」とは?
「次の超大国は企業かもしれない」――そんな視点で世界を読み解くのが、イアン・ブレマー氏のこのTEDトークです。これまでの国際秩序を覆す切り口を学びながら、英語力と国際感覚を同時に磨いてみましょう。
プレゼン概要と背景
「The Next Global Superpower Isn’t Who You Think」は、政治学者イアン・ブレマー氏によるTEDトークです。これまで「超大国」といえばアメリカや中国のような国を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、ブレマー氏は、これからの時代は国ではなく、テクノロジー企業が新たな超大国として世界を動かす存在になると語ります。
このトークでは、AI(人工知能)やビッグデータが、国境を超えて人々の生活をどのように変えているのかが解説されます。また、民主主義や国際ルールがどのようにこの新しいパワーを管理できるかという、私たちにとって非常に重要なテーマを取り上げています。
動画内での要点
イアン・ブレマー氏が動画内で伝えていることは主に以下の4点です。
- 世界のパワーバランスは3層に分かれている
安全保障では米国の軍事力が依然として突出し、経済面では米国・中国・EUなど複数の大国がせめぎ合う多極構造。そして最前線のデジタル領域では、国境をまたぐ巨大テック企業が新たな主役へと台頭しています。 - テック企業は“準国家”化している
ウクライナ戦争での衛星通信提供や、SNS上の情報管理など本来は国家が担ってきた機能を代替しつつあり、その影響力は国境や政府の枠を超えています。 - 今後のシナリオは3つ
①米中が自国企業を囲い込む「テクノロジー冷戦」、②国家と企業が拮抗しつつ接続を保つ「デジタル化した新グローバル化」、③企業がルールメイカーとなる「テクノポーラー世界(=巨大なハイテク企業が支配する“極”になった世界)」。どの進路を選ぶかで、私たちの自由や統治モデルは大きく変わります。 - AIとバイオ技術で破壊的能力が拡散する時代
小規模グループでも大きな武器を手にできる以上、テック企業の倫理と説明責任、そして市民がアルゴリズムを監視し透明性を求める姿勢が、民主主義を守るカギになる。
私たちは時代の転換期に生きていると言えるかもしれません。
TEDトーク内の印象的な英語フレーズ集
イアン・ブレマー氏のトークには、心に残る名言や現代社会を鋭く突く表現が多数出てきます。印象に残る英語フレーズを日本語訳と一緒に覚えることで、実践で使える語彙力を高めましょう。
考えさせられる表現と日本語訳
イアン・ブレマー氏のトークには、国際情勢とテクノロジーの関係を的確に表す印象的な英語表現が数多く登場します。
ここでは、その中から特に記憶に残るフレーズと日本語訳をいくつかご紹介します。
Now, Russia and China and others have nuclear weapons, but thank God it is still suicide to use them. And as a consequence, our security order is a unipolar order and it is likely to remain so for the next decade.
(ロシアや中国などが核兵器を保有しているものの、幸いなことに使用すれば自滅を招く状況は依然として続いています。その結果、安全保障の秩序は米国一極であり、今後10年はそのまま続く見込みです)
<文法ポイント>
- 挿入句 “thank God”
- 感嘆を示す口語表現。カンマで区切り、本来の文構造を崩さずに心情を挟み込む。
- 形式主語 “it” + 形容詞 + 不定詞
- it is still suicide to use them の形で「〜することは…だ」を表す。
- 結論を導く接続語 “as a consequence”
- “結果として”を示すフォーマルな接続表現。
- 名詞句 “a unipolar order”
- order を後置形容詞的に修飾し「一極体制」の意。
You may be surprised to hear this, but today US-China trade relations are actually at their highest level in history.
(驚かれるかもしれませんが、米中の貿易額は現在、史上最高水準にあります)
<文法ポイント>
- “may” の譲歩的用法
- You may be surprised で「〜かもしれないが」と柔らかく前置き。
- 前置詞句 “at their highest level”
- level に highest(最上級)を当て、“at + 度合い”で水準を示す。
- 強調副詞 “actually”
- 「実は」を示し、聞き手の予想と逆の事実を示唆。
But the global economic order is and will remain a multipolar order.
(しかし、世界経済の秩序は今もこれからも多極体制のままです)
<文法ポイント>
- 動詞省略 “is and will remain”
- 2つ目の is を省き、be 動詞+will remain を並列に。
- 未来の継続 “will remain”
- 「~し続けるだろう」で状態の持続を予測。
- 対比を示す “But”
- 直前の米中貿易の一極的事実と対照させる。
And the digital order is not run by governments but by technology companies.
(そしてデジタル領域の秩序を動かしているのは政府ではなくテクノロジー企業です)
<文法ポイント>
- 受動表現 “is run by”
- “run” は「運営する」。受動態で主体を by 句に置く。
- 対比構文 “not A but B”
- 「A ではなく B」と明確なコントラストを表現。
But today, our identities are determined by nature and nurture and algorithm.
(しかし今や、私たちのアイデンティティは、生まれ持った要素と育ち、そしてアルゴリズムによって形づくられています)
<文法ポイント>
- 受動態 “are determined by”
- identity が外的要因によって「規定される」。
- 3語並列 “nature and nurture and algorithm”
- and を重ねることで、「従来の二分法+新要素」を強調。
- 対比を示す “But today”
- 時代変化を強調し、従来とのギャップを際立たせる。
どれもシンプルながら、現代の社会課題を鋭く突いています。TEDを英語学習に使うときは、こうしたフレーズを何度も声に出して覚えるのがおすすめですよ。
ビジネスでも応用できる語彙・表現
ブレマー氏のトークには、ビジネス英語としても使える単語や表現がたくさんあります。特に国際ニュースや会議、資料作成などで役立つ語彙を例文と一緒にまとめました。
英単語 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
unipolar world | 一極世界(特定の国・勢力が圧倒的支配力を持つ国際秩序) | In a unipolar world dominated by one superpower, mid-sized economies need niche strategies to stay competitive. (一極世界で一大国が優位に立つ中、中規模経済国は競争力維持のためにニッチ戦略が必要です。) |
illegitimate | 不当な・非合法の | The board rejected the takeover bid, calling it illegitimate and harmful to shareholder value. (取締役会は、その買収提案を不当かつ株主価値を損なうものとして却下しました。) |
robust | 強固な・堅牢な | Our CFO emphasized the need for a robust risk-management framework before entering the new market. (CFO は新市場参入前に強固なリスク管理体制が必要だと強調しました。) |
semiconductor | 半導体 | Supply chain disruptions in the semiconductor sector have delayed our product launch by three months. (半導体分野のサプライチェーン混乱により、当社の製品発売が3か月遅れました。) |
conspiracy theory | 陰謀論 | The rumor about a hidden agenda behind the merger is just a conspiracy theory without evidence. (合併の裏に隠れた思惑があるという噂は、根拠のない陰謀論にすぎません。) |
disruptive technology | 破壊的技術(既存市場を根底から変える革新技術) | Investors are shifting capital toward startups that leverage disruptive technology in renewable energy. (投資家は再生可能エネルギーで破壊的技術を活用するスタートアップへ資金を移しています。) |
persist | 持続する・粘り強く続く | If supply shortages persist, we will renegotiate long-term contracts with alternative vendors. (供給不足が続くようなら、代替業者と長期契約の再交渉を行います) |
これらの単語は、TEDだけでなく、ニュース記事やビジネスレポートでもよく登場します。
意味だけでなく例文ごと覚えることで、すぐに自分の英語に取り入れやすくなりますよ。
TEDを英語学習に活かす!視聴ステップとポイント
ただ観て終わりにしないのがTEDトーク活用のポイントです。視聴から理解、シャドーイングまでを段階的に行えば、英語力が効率よく伸ばせます。おすすめの学習ステップを紹介します。
視聴→理解→定着の3ステップ学習法
TEDトークは一度観るだけでは終わらせず、何度も段階的に観て、理解を深めるのがポイントです。
おすすめは「視聴 → 理解 → 定着」という3ステップ学習法です。
- 視聴:まずは英語字幕をONにして内容をざっと把握します。
- 理解:次に気になる部分のスクリプトを読み込み、わからない単語や表現を調べます。
- 定着:最後に自分の言葉で要点をまとめたり、キーフレーズをノートに書き出したりします。
何度も繰り返すことで、聞き取りと内容理解の両方を強化できます。
シャドーイングでリスニング&スピーキング力を鍛える
TEDトークを教材にするなら、シャドーイングは特におすすめの学習法です。シャドーイングとは、スピーカーの英語をすぐ後に追って声に出す練習方法で、リスニングや発音向上におすすめです。
ブレマー氏の話し方はちょうど良いスピードで、発音が明瞭なので初心者〜中級者のシャドーイングにぴったりです。
イントネーションや間の取り方、強弱の付け方を真似することで、リスニング力だけでなくスピーキング力(発音)も自然と身につきます。
なぜシャドーイングがリスニングに効果的かはこちらの記事で紹介しているので、合わせてご覧ください。

TEDトークを使ったシャドーイング実践方法
TEDを使った具体的なシャドーイングの手順は以下のとおりです。シャドーイングは毎日新しい音源(範囲)を実施するのではなく、3~4日かけて完成するのがおすすめですよ。
<新しい音源(範囲)1日目のやり方>
- シャドーイングをする範囲(30秒~1分程度)を決める
- 音声のみを聞き大まかな内容を把握する
- スクリプトを見ながら音声を聞き発音や全体の意味を理解する
- 5回を目安にオーバーラッピング(スクリプトを見ながら音声と同時に発話)を行う
- シャドーイング(スクリプトを見ずにお手本音声の1~2語後を追うように発話)を行う(20回以上)
- 録音した自分の音声を聞き振り返りを行う
2日目以降は上記の⑤と⑥を実施するようにします。シャドーイングの回数は30回以上に増やせると、正しい音情報がより定着しやすくなります。
この流れを繰り返すことで、TEDトークを単なる「視聴教材」から「実践教材」に変えられるので、ぜひ学習に取り組んでみましょう。
まとめ
イアン・ブレマー氏のTEDトーク「The Next Global Superpower Isn’t Who You Think」は、国際情勢とテクノロジーの関係を鋭く描き出した一冊の教科書のような内容です。
国と企業、AIと私たちの生活――こうしたテーマを英語で理解することで、時事力と英語力を同時に磨けます。
このトークは難しい単語も出てきますが、心に残るキーフレーズを繰り返しシャドーイングすることで、自然と自分の英語として吸収できます。
最初は字幕付きで意味を把握し、慣れたら字幕なしで挑戦、最後は声に出して練習する。
この小さな積み重ねが、リスニングとスピーキングの力を確実に伸ばしてくれます。
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