TED「What makes a good life? 」で英語と幸せになる秘訣を学ぶ！

「キャリアは順調。でも本当に満たされているのか？」
そんな問いにヒントを与えてくれるのが、ハーバード大学のロバート・ウォールディンガー氏によるTEDトーク「What makes a good life?」。

75年を超える追跡調査から導き出された“幸せな人生の共通項”とは何か──その答えは、ビジネスにも英語学習にも深く通じています。

このトークは、英語のリスニング教材としても優れており、英語を学びながら人生の本質にも触れられる内容です。本記事では、TEDトークの要点や英語表現を解説しつつ、それを効率よく学べる学習法「シャドーイング」についても紹介します。

ロバート・ウォールディンガーのTED「What makes a good life?」とは？

プレゼンの背景と意義

このTEDトークのスピーカー、ロバート・ウォールディンガー（Robert Waldinger）氏は、ハーバード大学医学部の精神科医であり、世界的にも注目されている「ハーバード成人発達研究」の第4代ディレクターです。
彼のTEDトーク 「What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness」 (邦題：人生を幸せにするのは何？ 最も長期に渡る幸福の研究から）は、2025年現在、4,000万回以上再生されており、TEDの中でも高い人気を誇るプレゼンの一つです。

ウォールディンガー氏はこのプレゼンで、1938年から始まった75年以上にわたる追跡調査の内容と、そこから得られた人生の「本当の幸福」に関する知見を、科学的かつ温かい語り口で紹介しています。

調査対象と目的：2つのグループの人生を追った

ハーバード成人発達研究は、アメリカ史上最も長期間継続されている幸福に関する研究です。
調査は当初、まったく異なる背景を持つ2つのグループから始まりました。

• ハーバード大学の学生たち（裕福な白人男性中心）
• ボストンの貧困層出身の10代少年たち（家庭環境が不安定）

彼らの健康、仕事、結婚、家庭生活、社会的関係、精神的幸福など、人生に関わるあらゆる側面が数十年にわたって追跡されました。

トークの核心：良い人生を築く鍵は「良好な人間関係」

このトークの最も印象的なメッセージは、次の一言に凝縮されています：

“Good relationships keep us happier and healthier. Period.”

つまり、「良好な人間関係こそが、私たちをより幸せに、そしてより健康に保ってくれる」。このシンプルで力強いメッセージが、75年もの研究から導き出されたもっとも明確な結論なのです。

なぜ人間関係が重要なのか？

ウォールディンガー氏は、幸福に影響を与える3つのポイントを挙げています：

1. 社会的なつながりが多い人は、孤独な人より長生きしやすい

家族や友人、地域社会とのつながりが強い人は、身体的にも精神的にも健康である傾向が強く、逆に孤独な人は病気や早死にのリスクが高まることがわかりました。

2. 関係の「質」が健康を左右する

表面的なつながりではなく、信頼できる関係をどれだけ築けているかが鍵になります。友人が多くても孤独に感じていると健康に悪影響があり、配偶者がいる人でももし関係性が良くないと離婚よりも悪い影響を与えるだろうとウォールディンガー氏は説いています。実際に、調査で50代の時にいい人間関係を築いていた人は80歳になっても健康でした。

3. お金や名声よりも“つながり”のほうが幸福に影響する

調査に参加した多くの人は、若い頃は「お金や出世こそが幸せの条件」と考えていました。しかし、歳を重ねるにつれて、「誰かと深くつながっている実感」のほうが心の安定につながると感じるようになっていきました。

ビジネスマンにとっての示唆

このプレゼンは、単なる人生論ではなく、現代のビジネスパーソンにとっても非常に示唆に富んでいます。
たとえば、

など、私たちが今の働き方や人間関係を見直すきっかけを与えてくれます。

そして、このトークを英語で理解しようとすることは、単なるリスニング学習にとどまらず、「人生をどう生きたいか」を英語で深く考える貴重な体験にもなるのです。

TEDトーク内の印象的な英語フレーズ集

Robert WaldingerのTEDトーク「What makes a good life?」は、スピード・語彙レベルともに英語学習者にとって非常にバランスの良い内容です。しかも、心に残る英語表現が随所に登場するため、シャドーイングや音読素材としても優秀です。

ここでは、英語学習者にとって覚えやすく、意味が深く、日常やビジネスにも応用しやすいフレーズを紹介します。

心に響くインスパイア表現と日本語訳

“Good relationships keep us happier and healthier. Period.”
（良い人間関係は私たちをより幸せに、より健康にしてくれる。それだけだ。）

このスピーチの核心を突く、シンプルかつ力強い表現です。”Period.” は「これ以上でも以下でもない」「議論の余地なし」というニュアンスを込める口語表現で、発音や間の取り方を真似するとリズム練習にもなります。

“Good relationships don’t just protect our bodies; they protect our brains.”
（良い人間関係は私たちの体だけでなく、脳も守ってくれます。）

“not just A; B” の構文はビジネスシーンでも頻出します。論理的に話を展開する際や、説得力を持たせたいプレゼンに有効です。

“Social connections are really good for us, and that loneliness kills.”
（社会的なつながりは本当に私たちのためになります。そして、孤独は命を奪うのです。）

“Loneliness kills.” という短いセンテンスは、シンプルながら衝撃的で記憶に残りやすい一文です。リズム、抑揚、間の取り方を意識すると感情表現の練習にも役立ちます。

ビジネスでも使える語彙・表現

TEDトークの語彙は日常英会話に寄りすぎず、かといって専門的すぎず、ビジネス英語としても応用がきくものが多数登場します。以下は特に覚えておきたい語句と用例です。

単語・フレーズ	意味	例文
well-being	心身の健康、幸福	Employee well-being is crucial for productivity.
social connection	社会的つながり	Building strong social connections improves team morale.
relationship quality	関係の質	It’s not about how many people you know, but the quality of those relationships.
loneliness	孤独感	Loneliness can affect both mental and physical health.
thriving	活力ある状態	A thriving organization is built on trust and connection.

フレーズ学習のコツ

フレーズを定着させるには、実際に使ってみることが何より効果的です。

まずはシャドーイングで発音やリズムを真似し、口に慣らす練習をしましょう。その後、自分の仕事や日常に置き換えて例文を作ると応用力が高まります。

たとえば “Good relationships” を “Client relationships” や “Team relationships” に変えて使ってみるなどが効果的です。さらに、学んだ表現をその日の英語日記に書くことで記憶が定着し、自然と自分の語彙になりますよ。

TEDを英語学習に活かすための学習ステップとポイント

Robert Waldinger氏の TED トーク「What makes a good life?」 は、英語のスピード・語彙レベル・構成のいずれもバランスがよく、英語学習者にとって理想的な教材です。

ただ「なんとなく観る」だけでは学習効果は限定的。リスニング力や表現力を高めるには、段階的な視聴・アウトプット・シャドーイングがカギになります。

以下では、学習効果を最大化するための3ステップをご紹介します。

ステップ1：初回視聴は「全体の流れ」をつかむ

最初から細かい単語や表現にこだわるのではなく、まずは動画全体の構成とメッセージをつかむことが大切です。

特に、ウォールディンガー氏のスピーチは「静かで落ち着いた語り口」が特徴です。リズムが比較的一定なので、スピードを緩めれば英語初心者にもおすすめです。

ステップ2：スクリプトを読み込みながら精聴する

2回目の視聴では、スクリプト(TED公式で公開)を手元に置き、1文ずつ意味を確認しながら見直します。

この作業を通じて、「なんとなくわかる英語」から「使える英語」へと理解が深まります。

ステップ3：字幕OFFで再視聴 → 要約アウトプット

準備が整ったら、字幕なしでの再視聴にチャレンジしてみましょう。この段階で「ほとんど聞き取れる」と感じたら、リスニング力が確実に上がっている証拠です。

さらに効果を高めるには、以下のようなアウトプットも行いましょう。

実際に使ってみることで、記憶への定着率が飛躍的に高まります。

シャドーイングで英語の「音感」と「ナチュラルな発話」を同時に強化

リスニング力をより強化したい人におすすめしたいのが「シャドーイング」です。シャドーイングはお手本の音声のみを頼りにから1~2語遅れながらそっくり発話していくトレーニング法で、リスニング力だけでなく発音も副次的に向上します。

ウォールディンガー氏の語りは単語と単語のつながり（リエゾン）や抑揚も自然で、模倣対象として非常に優れています。

なぜシャドーイングがリスニング力向上に効果的なのかはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひあわせてお読みください。

シャドーイング実践の流れ

「シャドーイングって難しそう…」と思う方も多いかもしれませんが、事前準備をしっかり行うことでハードルはぐっと下がります。

ぜひ、以下の手順でシャドーイングを行うようにしてください。

もし、オーバーラッピングのあとにシャドーイングをするのが難しい場合は、「マンブリング(=ぶつぶつと音のみを頼りに発話すること)」を行うと音声を頼りに発話することに慣れることができます。

TED教材も使える！学習アプリ「シャドテン」

TEDトークを英語学習に活かすうえで、特に効果的なのが前述した「シャドーイング」です。しかし、独学でシャドーイングを続けるのは意外と難しいもの。

「この発音で合っているのか不安」「聞き取れない部分が毎回同じ」「続けようと思っても3日坊主になりがち」──こうした悩みを持つ学習者におすすめなのが、シャドーイング特化型アプリ「シャドテン」です。

シャドテンでは、英語のプロがあなたが提出したシャドーイング音声を自分では気付きづらい音声変化(リエゾン、消失音など）を中心に毎日添削してくれます。それにより、学習の質が向上し結果としてリスニング力が向上するのです。

「What makes a good life?」を含む複数のTED教材も提供しているため「TEDでシャドーイングをしたいけどやり方に不安がある」人にもおすすめ。

アプリ1つで教材選びから学習、音声の提出まで完結するためストレスフリーに学習を進めることができます。

まとめ

ロバート・ウォールディンガー氏のTEDトーク「What makes a good life?」は、英語学習者にとって、内容・構成・語彙すべての面で優れた学習素材です。「良好な人間関係こそが人生を豊かにする」という普遍的なメッセージは、キャリアや日常のあり方を見つめ直すきっかけにもなります。

そして、その英語を“聞き流す”だけでなく、“正確に聞き取れる耳”を育てるには、シャドーイング×添削が効果的です。シャドテンなら、TED教材をそのまま使いながら、プロのフィードバックを受けてリスニング力を着実に高めていくことができますよ。

また、当社公式LINEの「友だち追加」をしてアンケートにお答えいただくと「リスニング力向上に役立つWeb book」が受け取れます。 リスニングに役立つ情報もLINEで配信していますので、ぜひこの機会にご登録ください。